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今こそ見直そう!メールマーケティングの基本と実践ステップ、成功事例を解説

マーケティング

目次

メールマーケティングと聞くと、もうやりつくされた手法だと思われるかもしれません。しかし、実は改善余地が多く、大幅な売上アップにつなげられる可能性を秘めています。「いままでずっと同じやり方でメールマーケティングを行ってきたけど、本当にこれでいいんだっけ?」と感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、メールマーケティングの基本や実践時の注意点、成功事例をご紹介します。すでにメールマーケティングを行っている方は、ぜひ自社の施策見直しの参考にしてみてください。

メールマーケティングとは?

メールマーケティングとは、メールを活用したマーケティング手法の総称です。新規顧客の獲得、見込み顧客の育成、既存顧客との関係維持など、さまざまな目的のために行われます。従来は、顧客リストへ一斉配信を行うメールマガジン(メルマガ)が主流でした。近年では、CRM(Customer Relationship Management / 顧客関係管理)MA(Marketing Automation)の普及が進み、顧客データに基づいた1to1アプローチが主流になってきています。

メールマーケティングに取り組むべき理由

そもそもなぜメールマーケティングに取り組むべきなのか、あらためて聞かれると答えられない方もいるかもしれません。メールという手法は決して新しいものではありませんが、今だからこそ取り組むべき理由があります。

メールは今でもコミュニケーションの中心

メールに代わるコミュニケーション手段としてSNSが普及してきていますが、実はメールアドレスを持つ人の数は今も増加し続けています。Obreloが公開したレポートによると、2025年には世界の人口の半数以上にあたる約46億人がメールアドレスを所有していることになるとされています。日本においても、総務省が発行している情報通信白書によると、インターネットの利用目的は「電子メールの送受信」が最多となっています。また、管理職などの立場で意思決定に関わる可能性の高い40歳以上に限ってみると、平日のコミュニケーションはSNSよりもメールを多く活用していることがわかっています。これらを鑑みても、依然としてメールはオンラインでの主要なコミュニケーションツールであると言えます。

年齢層別インターネット メールマーケティング

出典:総務省「通信利用動向調査」

投資対効果の高いマーケティングチャネル

Ominsendの調査によれば、「メールマーケティングへの投資1ドルに対し平均40ドルの収益を得ることができる」とされています。これは、SEOの22ドル、検索広告の17ドルなど、他のマーケティングチャネルと比べても高い投資対効果になっています。その理由は、メールマーケティングのコストの安さにあります。配信先の顧客リストさえ保持していれば、誰でも簡単に始めることができます。また、新規リードの獲得や見込み顧客の育成、既存顧客の追加購入促進など、幅広い目的に活用できることも利点です。

様々なデータからフィードバックが得られる

昨今デジタルツールの普及が進み、多種多様なデータを取得することが可能になりました。メールマーケティングにおいては、顧客の属性(企業名・部門・役職など)や行動(メールの開封・クリックなど)の情報を収集、蓄積し、日々の活動のフィードバックを得ることができます。中長期的にメールを送り続けることで、顧客が求めているコンテンツが明らかになったり、商談・成約につながる可能性の高い顧客を見極めることが容易になります。

主なメールマーケティング手法

メールマーケティングの主な手法として、以下の7つがあげられます。
メールマーケティング

メールマガジン

自社で保有しているリストの中でメール配信の許諾を得ている顧客に対して、定期的に情報を届ける手法です。メールマーケティングと聞くと、この手法が真っ先に思い浮かぶ方が多いかもしれません。同一コンテンツを多数の顧客に一斉配信するため、どの顧客にとっても有益な情報を届ける必要があります。一般的に、新商品の紹介やキャンペーンの案内などで活用されることが多いです。

ステップメール

特定の行動をとった顧客に対して、その日時を基点としてあらかじめ用意したメールを順番に配信する手法です。「こうして欲しい」という顧客の行動を事前に想定し、その行動を促すために活用されます。
たとえば、商品を購入した顧客に対して以下のようなメールを段階的に送付します。

Step1(購入直後):商品購入に対するお礼と、購入した商品の詳細情報を配信
Step2(購入から1週間後):購入した商品を利用していて困ったことがないか確認するメールを配信
Step3(購入から2週間後):購入した商品の活用ノウハウや他ユーザーの活用事例を紹介
Step4(購入から3週間後):購入した商品の口コミ投稿を促すメールを配信
Step5(購入から1ヶ月後):購入した商品の定期購入を案内するメールを配信

シナリオメール

特定の条件を満たした顧客に対して、あらかじめ設定したメールを自動で配信するマーケティング手法です。 
たとえば、新商品紹介のメールを送付すると開封する人としない人がでてきます。未開封の人に対して、次はメールを開封するように件名に工夫を入れたメールを送り、一方開封した顧客に対して、商品紹介ウェビナーの案内や割引キャンペーンの案内など、購買活動を促進するための情報を届けます。シナリオメールは先ほど紹介したステップメールと混同されがちですが、厳密には異なるものです。ステップメールは「商品の購入日」や「資料の請求日」といった特定の日付を基点としています。一方シナリオメールは、「メールの開封」や「サイトの訪問」など、顧客がどのような行動をとったかを基点としています。そのため、日付だけを基点とするステップメールよりも綿密な設計が必要になります。

また、シナリオメールを利用するには、顧客のメールアドレスとCokkie情報を紐付ける必要があるため、マーケティングオートメーションツールの導入がほぼ必須になります。マーケティングオートメーションツールの導入についてはこちらの記事で詳しく解説しております。

メールマーケティング

ターゲティングメール

特定の属性の顧客に対して、その人に適した内容をメールで送る手法です。メールの内容に応じて配信対象が限定されますが、取得した顧客情報をもとに属性を判断し配信対象を決められます。属性に適したオファーをすることで、アクション率の向上が期待できます。たとえば、その月が誕生月の顧客にバースデークーポンを配布したり、GPSなどの位置情報を元に来店していると判断した顧客に対してお買い得商品の案内をするといったことを行います。

リターゲティングメール

リターゲティングというと、ディスプレイ広告で聞き覚えのある方もいらっしゃると思います。ある商品のWebページを見たあと別のWebページに移動したときに、さっきまで見ていた商品のディスプレイ広告が掲載されるというアレです。この場合は、商品ページに訪問したことをきっかけ(トリガー)としてターゲットを追跡(リターゲテンィグ)し、ディスプレイ広告を掲載するという仕組みになります。

リターゲティングメールではこれと同じように、Webページへのアクセスやメールの開封・クリックなど「顧客の行動をきっかけとして、配信側の意図するタイミングでメールを送る」ことができます。商品やサービスを購入しようと能動的に動いた顧客に対してジャストタイミングでアプローチできるのがこの手法の強みです。つまり、より購買意欲の高い顧客に向けて、効率的にプロモーションすることが可能です。たとえば、商品ページを見たユーザーにクーポンを送る、一度買い物カゴに追加されたまま購入されていない商品がある場合に購入を促す「カゴ落ち」メールもリターゲティングメールの一種です。

通知メール

自身のSNSアカウントがフォローされた時や、チャットツールにメッセージが届いた時に送信されるメールです。プロモーション目的ではなく、ユーザーに特定の行動を促すために送信するのが一般的です。アプリ上の通知だけだと見落としてしまう場合は、メールでも通知を行うことで対応漏れを減らす効果が見込めます。

サーベイメール

サービスの満足度や改善要望を収集するためのアンケートフォームを送るメールです。先ほどの通知メールと同様にプロモーションを目的としないメールですが、アンケートの回答を促進するためにプレゼントやクーポンの案内がセットになっていることも多いです。昨今では、NPS(ネットプロモータースコア)という指標を重要視している企業も増えており、スコアを算出するためのデータを集めるためメールを活用するケースが見られます。

【チェックリスト付き】メールマーケティングの実践ステップ

メールマーケティングの実行ステップと、各ステップにおける注意点をチェックリスト形式で紹介していきます。

ステップ1. 目標設定

まずはじめに、メールマーケティングを行う目的と狙う数値目標を設定します。検討する際は以下のポイントを抑えておきましょう。「メールに関する指標は達成しているのに売上目標は全く達成できていない」といった状況に陥らないように、事業のKGIと充分照らし合わせるようにしましょう。

<Check List>
☑ KGIに紐づいたKPIが設定されているか
☑ KPIは一般的な目安と乖離していないか
☑ 中長期的な計画があるか

なお、日本におけるメールマーケティングの平均的な指標は下記の通りです。ビジネスモデルや業種によってばらつきがあるので、詳しくはこちらを参考にしてみてください。
・ 開封率:37.4%
・ クリック率(CTR):4.8%
・ 解約率(オプトアウト率):0.2%

メールマーケティングにおける開封率を上げる方法について、こちらの記事で詳しく解説しているので、合わせてご確認ください。

ステップ2.配信リストの作成

目標とする数値が定まったら、メールの配信リストを作成しましょう。リストを作成する際は、エクセルやスプレッドシートなどではなく、CRMやMAツールを活用することを強く推奨します。人の手で簡単にデータを編集できてしまう表計算ツールでは、宛先相違による誤送信などの情報インシデントが起こるリスクが高いです。

配信リストには氏名・企業名・メールアドレスといった基本情報と合わせて、より細かな属性情報を持たせておくとリストの質が高まりメールマーケティングの精度を上げることができます。リストの質を高めるためには、以下のような情報を活用できるように準備を進めましょう。

<Check List>
☑ 情報取得経路(イベント、ホワイトペーパー、名刺交換など)
☑ 情報取得日(あまりに古い情報は鮮度が落ちるので優先度を落とす)
☑ 無効アドレスの除外(メールが届かない顧客はリストから除外する)

また、メールの内容に応じて配信先を設定できるよう、顧客の検討段階をフラグ付けするなどしてセグメントを分けておくと、メールマーケティングの効果を高められます。セグメントのイメージは下図の通りです。

メールマーケティング

ステップ3.メール作成

配信リストの用意ができたら、いよいよメールの作成です。
ここでは、メールを作成するにあたって重要なポイントを3つ解説していきます。

ペルソナ、カスタマージャーニーの設定

ペルソナとは、サービス・商品の典型的なユーザー像のことです。実際にその人物が存在しているかのように、年齢・性別・企業・部署・役職・趣味・ライフスタイルなど、リアリティのある詳細な情報を設定していきます。メールマーケティングの場合は、メールを閲覧する時間帯、閲覧する媒体(PC、スマホ)なども設定しておくとよいでしょう。また、ペルソナと合わせてカスタマージャーニーを検討することも重要です。メールを受け取った顧客にどのような行動をとって欲しいのか事前に設定しておきましょう。ウェビナーに申し込んで欲しいのか、それともホワイトペーパーをダウンロードして欲しいのか、さらにはその後どうやって商談まで繋げるのか想定してからメールを配信することで、より成果を上げやすくなります。

なお、ペルソナとカスタマージャーニーについてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。

読んでもらうための工夫

メールを送ったのに全然読んでもらえない、となってしまっては非常に残念です。しかし、メールマーケティングに取り組んでいる企業は多く、1日に何百通ものメールを受け取っている方もいらっしゃるかと思います。そんな状況では、自分に関係なさそうと判断したメールは開封せずにゴミ箱に直行させてしまうのも無理はありません。コンテンツももちろん大事ですが、それと合わせてメールを読んでもらうための工夫を凝らすことが必要不可欠です。メールを受け取った人がそのメールを読むか読まないか、ほんの数秒で判断してしまいます。開封率やクリック率を上げるために、以下3つのポイントを意識してメールを作成するようにしましょう。

1. 件名ですぐ開封するよう促し、読む動機づけをする
2. ファーストビュー(メールの冒頭部分)で本文を読む動機づけをする
3. シンプルな構成で読了後のネクストアクションを悩ませない

ABテストの実施

メールマーケティング
メールマーケティングを行う以上、少しでも高い成果を上げたいところです。しかし、絶対に正しい答えが存在しているわけではなく、試行錯誤を繰り返しながら改善していく必要があります。そこで活用できるのがABテストです。たとえば、本文は同じ内容で件名だけ違うメールを2パターン用意します。それぞれ100人にメールを送った時に、BパターンよりAパターンの方が開封率が高いという結果が得られます。この結果を元に、残りのリストにはAパターンにメールを送ることで、より多くの顧客にメールを開封してもらえる可能性が高まります。ABテストは1回のメール送信の質を上げるだけでなく、繰り返し行っていくことでより効果を発揮します。ABテストを継続した結果社内にノウハウがたまり、メールマーケティングの質をあげることに繋がります。

<Check List>
☑ ペルソナ・カスタマージャーニーに基づいている
☑ 件名はすぐ開封を促すものか
☑ ファーストビューで本文を読む動機づけができているか
☑ ネクストアクションを悩ませないシンプルな構成か
☑ ABテストでノウハウを蓄積しているか

なお、開封率を上げるための方法については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

ステップ4.メール配信

メールが作成できたら、いよいよ配信です。この段階では、配信ミスの可能性を最小限に抑える必要があります。基本的なチェックポイントは以下の通りです。1人の担当者だけでチェックするのではなく、必ず複数人でチェックする体制にしておきましょう。

<Check List>
☑ テキストに誤字脱字がないか
☑ リンク切れになっている箇所がないか
☑ 正しい宛名が表示されるようになっているか
☑ PCとスマホどちらで見ても問題ないか
☑ 配信先リストに誤りはないか
☑ HTML版とプレーンテキスト版の内容が一致しているか
☑ 配信停止のURLが記載されているか

ステップ5.効果測定

メールを送ると、開封率やクリック率、解約率などの情報がリアルタイムで集約されます。メールを送ってすぐだとメールボックスを開いていない顧客も多数いるため、送信後1日以上経過した段階で情報をチェックするようにしましょう。あらかじめ設定していたKPIと実際のデータを照らし合わせ、乖離がある場合は原因の仮説を立て改善する必要があります。

検討すべき主な改善ポイントは下記の通りです。
<Check List>
☑ 配信曜日、時間は適切か
☑ 配信コンテンツはニーズにあっているか
☑ Call to Actionはわかりやすかったか

メールマーケティングの成功事例

メールマーケティングを上手に活用して、成果をあげている企業の事例をご紹介します。

プロトタイプで読者のペルソナ検証をしたBuzzfeed

ニューヨークに拠点を持つグローバルニュースメディアのBuzzfeedは、新しくメールマガジンを始めるにあたり、メールのプロトタイプをFacebookなどのSNS上で公開し読者からのフィードバックを集めました。いきなり配信リストにメールを送るのではなく、まずはスモールスタートして顧客の声を集めることにしたのです。

これにより、当初想定してたものとは違うターゲット層に需要があることがわかり、メルマガの成功につながりました。また、その後も継続してSNSでプロトタイプを公開し、字体や文章の書き方、メールの構造などについて顧客のフィードバックを得ることで、メールマーケティングの質を上げようと取り組んでいます。取り組みの詳細はこちらからご確認ください。このように、読者のペルソナの解像度を上げるため、繰り返しテストを行う姿勢は参考にするべきポイントと言えます。

顧客目線のウェルカムメールで成功したVero

マーケティングオートメーションプラットフォームを提供するVeroでは、自社ブログに新規登録した顧客へ14段階のステップメールを送っていました。メールによっては80%を超える開封率を記録するほどでしたが、本当の狙いであったサービスの新規申し込み数は全く伸びませんでした。原因を考察したところ、カスタマージャーニーを細かく分割してステップメールを設定する過程で、送り手の「次の段階へ進ませたい」という意向が強く出すぎて顧客目線の内容ではなくなっていたのです。

そこで、新規登録者に対して、登録のお礼と「今メールマーケティングにおいて困っていることを教えてください」とだけ尋ねる1通のウェルカムメールを送る仕様に変更しました。結果的にこのメールへ多くの返答が寄せられ、サービスの新規申し込みに繋げられるようになりました。また、顧客から多くのフィードバックを得ることで、ブログコンテンツの方針策定に大きく寄与しました。本事例のように、メールマーケティングでは送り手の目線になってコンテンツを作成してしまいがちです。ペルソナやカスタマージャーニーを定期的に見直し、それに沿ったメールになっているかどうかチェックする時間を設けることが肝要です。

なお、Veroは他にもメールマーケティングに関する様々な事例を紹介しているので、ぜひこちらを参考にしてみてください。

セミナー案内メールのCVRを改善したferret One(株式会社ベーシック)

BtoB向けマーケティングツールのferret Oneを取り扱っている株式会社ベーシックでは、数万件のリードに対して週3〜4回のメール配信を行っています。KPIとしてSQL(Sales Qualified Lead / 営業にパスする見込み顧客)を追いながら、開封率やクリック率、コンバージョン数などの指標を毎回確認してPDCAを回しています。

その成果の一例として、自社セミナーの案内メールについて試行錯誤を繰り返した結果、クリック率やコンバージョン率を大幅に改善することに成功しています。具体的には、メールの本文にGIF資料を差し込むことでセミナーの中身をチラ見せし、参加申し込みを促しています。また、申し込みボタンの配置や文章など細かい点も改善を繰り返し行っています。

メールマーケティング メルマガ

出典:【すぐに試せる】ベーシック社が実証した「BtoBメールマーケの勝ちパターン」を一挙に紹介!|メルラボ

セグメントメールでサイト訪問が増加した株式会社ビッグビート

ビッグビートは、BtoB企業のマーケティングにおけるコミュニケーションの支援を事業としている企業です。同社の主催イベントである「Bigbeat LIVE」の集客施策としてメールマガジンを活用した事例をご紹介します。それまでは、見込み顧客に対してあまりセグメントを意識せずテキスト形式のメールを送っていましたが、マーケティングオートメーションツールの導入をきっかけに、顧客をセグメントしたうえでそれぞれの興味に合った内容のメールマガジンを配信するようにしました。たとえば、グローバルな経営展開に関心を持ったセグメントには「グローバルマーケティング」に関する講演の案内を配信するといった具合です。その結果、メールマガジン経由でのイベント特設サイトへの訪問件数が1.5倍以上に増加しています。詳しくはこちらの記事でも解説されています。本事例からもわかるように、リストに一斉に同内容を送るのではなく、セグメントごとに適したコンテンツを届けることで成果を高めることができます。

ステップメールで課金率がアップした株式会社ペライチ

ペライチは、スマホ対応のホームページを作成できるサービスを展開している企業です。「無料会員をいかに有料会員にするか」が当企業にとっての課題となっていました。そこで活用したのがステップメールです。会員登録をしてもサービスを利用しない、一度サービスを利用した後に再ログインをしない、といった課題を解決するため、会員登録日を基点としてステップメールを送るようにしました。そうすることで顧客のサービス利用が促進され、結果的に課金率の向上に繋がっています。事例の詳細はこちらをご参照ください。このように、顧客フォローを属人的に行うのではなく、半自動的にあらかじめ想定した動きへと誘導できる点は、メールマーケティングのメリットと言えます。

おわりに

いかがでしたでしょうか?「いまさらメールマーケティングについて新しく学ぶことなんてないよ」と考えていた方も、きっと何か抜けていた部分があったのではないかと思います。メールマーケティングそのものの成果を上げることももちろん大事ですが、顧客の反応がデータでわかるメールマーケティングを通じて顧客理解を深めることで、他のマーケティング施策にもつなげることができます。本記事で解説したポイントを頭に入れながら、常に改善する意識を持って継続的に取り組んでいきましょう。

著者情報
小泉 健太(こいずみ けんた)
Kenta Koizumi
早稲田大学基幹理工学部を卒業後、2015年にソフトバンク入社。コンシューマ向けモバイル事業の代理店営業に従事。2018年、ソフトバンクとアリババのジョイントベンチャーであるSBクラウドに出向。営業企画マネージャーとマーケティングマネージャーを歴任し、SFAやMAなどの企画・導入・運用を担う。現在はソフトバンクにて法人向けクラウド事業のマーケティング活動を推進する傍ら、会社全体のマーケティングオペレーションにも携わっている。