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メルマガの開封率が上がらない?5つの原因と改善方法を徹底解説

マーケティング

目次

メルマガの効果を最大限に引き出すためには、開封率の向上が不可欠です。開封率を上げることで、より多くの読者にメッセージを届け、ブランド認知や売上向上につなげることができます。しかし、多くのマーケティング担当者が開封率の改善方法に悩んでいるのではないでしょうか?メルマガの開封率を上げるには、読者の興味を引きつけるメッセージを届ける必要があります。

本記事では、メルマガの開封率の向上に課題を持つマーケティング担当者のために、改善に向けた具体的な手法やアイデアを提供します。本記事を参考にして効果的なメールマーケティングを実現し、読者とのつながりを築き上げる大きな一歩を踏み出しましょう。

メルマガの開封率とは

メルマガの開封率とは、送信したメールが受信者によって実際に開封される割合を指し、「開封数÷有効配信数)×100%」で求めることができます。分母が有効配信数のため、迷惑メールとしてブロックされたものは含まれないこと、分子の開封数は後述の計測方法によりHTMLメールのみが対象となることに注意が必要です。高いメルマガ開封率を実現することで、読者との関係構築やその後の成約に向けたコンバージョン率の向上に繋げることができます。正しくメルマガの開封率を計測することは、マーケティング活動の改善に繋がるので必ず抑えるようにしましょう。

計測方法

メルマガの開封率を正確に計測するためには、HTMLメールの画像読み込み時のWEBビーコンを活用する方法があります。WEBビーコンは、メール内に埋め込まれた透明な画像やピクセルのことで、読者には見えないようになっています。読者がメールを開封した際に画像が読み込まれることで開封が検知されます。メール本文に画像の埋め込みや装飾ができないテキストメールでは開封数を計測することができないので注意しましょう。

またHTMLメールの場合でも、受信側が画像の表示をオフにしているケースがあります。その場合も計測がされないので、読者に画像の読み込みを許可するよう促すようにしましょう。メール内に目立つ箇所や魅力的なコンテンツを配置し、読者に開封とともに画像を表示することの価値を伝えることも有効です。このようなビーコンによる計測方法は、Google Analytics(GA)やマーケティングオートメーション(MA)ツールなどの分析ツールと組み合わせることで、開封率を効果的に追跡・分析することが可能です。

これらのツールを活用すると、開封されたメールの数や開封率だけでなく、クリック数やコンバージョン率などの詳細なデータを把握することもできます。ビーコンと分析ツールの組み合わせにより、メルマガの開封率に対する深い洞察を得ることが可能です。開封率を追跡し、データに基づいた改善策を講じることで、より効果的なメールマーケティングを展開することができます。定期的な分析と改善を行いながら、読者の関心を引きつける魅力的なメールコンテンツを提供しましょう。

平均的な開封率

メルマガの平均的な開封率は、業界やターゲットオーディエンスによって異なりますが、一般的には20〜35%程度とされています。Benchmark社の「平均メール開封率レポート」によると、日本の平均開封率は37.42%と世界的に見ても高水準となっています。業種別(世界基準)の数値で見ると、教育、行政、NPOサービスで約30%、建築・建設、医療、不動産、消費財業界で約25%、広告、製造、保険業界で約20%の開封率となっているので、それぞれ+5%を目安に自社のメルマガの開封率を振り返ると良いでしょう。

メルマガの開封率が上がらない5つの原因

メルマガの開封率が上がらない場合、以下の5つの原因が考えられます。

1.    送付先リストのセグメント不足
2.    配信頻度やタイミングが不適切
3.    差出人名が設定されていない
4.    迷惑メールに判定されている
5.    タイトルが興味をそそらない

これらの要素を注意深く見直し、改善することで開封率の向上を図ることができます。

1.送付先リストのセグメント不足

送付先リストの数がある程度大きくなっていれば、メルマガを一斉に全ての読者に送信するのは極力ひかえましょう。受け手の属性や関心に基づいてセグメント化されたリストを作成し送信することが重要です。適切なセグメント化を行わずにメールを送信すると、読者の関心やニーズに合わないコンテンツが届き、開封率が低下する可能性があります。
GetResponseの「Email Marketing Benchmark」によると、リストサイズが5000件を超えると平均開封率が4%下がるという報告もあり、メルマガのターゲットに応じて適切なリストセグメントが必要であることがわかります。セグメントは既存顧客、新規顧客、CxOクラス、担当者クラス、所属業界など読者の属性や立場で分けると良いでしょう。より詳細にセグメントを分けて、データ収集や分析を行い、読者の属性や行動パターンを把握して、適切なメルマガの内容に精査していくことがメルマガ開封率を上げることにおいて重要です。

2.配信頻度やタイミングが不適切

メルマガの配信頻度や送信タイミングが読者にとって不適切である場合、開封率が低下する可能性があります。配信頻度が多すぎると読者が疲れてしまい、開封をスキップしてしまいます。逆に、配信頻度が少なすぎると読者の関心が薄れてしまい、開封率も低下します。一般的には週に2、3回程度が適切でしょう。また、送信タイミングが読者のスケジュールや状況に合わない場合も開封率が低くなります。配信日が月曜日や祝日前だと読者が忙しく、メルマガをスルーしてしまう可能性が高まります。

toB向けのメルマガであれば、出勤前の8時台やお昼休憩後の13時台、帰る前の16時台の開封率が上がると言われています。特にノウハウやナレッジ共有をコンテンツとしている場合は、朝情報収集をするビジネスマンがコア読書になる可能性が高いのでその時間を狙いしょう。toC向けのメルマガでは、会社員をターゲットしている場合は出社前の8時台や就寝前の21時台がベストであると言われています。一方主婦などターゲットとしている場合は、家事が落ち着く13時から15時の間を狙ってメルマガを送付するようにしましょう。

また、さらに開封率を向上させるためには、読者のフィードバックや行動データを参考にしながら最適な配信頻度やタイミングを見つけることが重要です。

メルマガ 開封 時間帯

3.差出人名が設定されていない

差出人名は、受信者がメールを開封する際に最初に目にする重要な要素です。匿名性の高い差出人名や一般的な名前を使用すると、信頼性や関心度が低下し、開封率が低くなる可能性があります。差出人名に会社名やブランド名、具体的な担当者名を使用することで、受信者に対して信頼性と興味を与えることができるので、積極的に使いましょう。
toBであればあえて担当者の個人名に設定することや、重要なメールはCxOの名前で送ることで信頼感を高め開封に繋げることもできます。toCの場合はメルマガのコンテンツによって差出人の性別なども変えるようにしましょう。例えば女性向けのファッションやメイクに関するメルマガの場合は差出人を女性にするなど、共感しやすい差出人にすることも重要です。

4.迷惑メールに判定されている

迷惑メールフィルターによってメルマガがスパムとして判定されると、受信者の受信トレイから見えなくなるため開封率が低下します。迷惑メール判定を避けるためには、メールの内容やフォーマットに注意する必要があります。スパムの要素を避けるためには、正しい文法とスペル、適切なリンクの使用、過度な大文字や特殊文字の回避などが重要です。また、信頼性のある送信元ドメインや認証技術の使用(例:DKIM、SPF)も迷惑メールフィルターへの影響を軽減するのに役立ちます。

5.タイトルが興味をそそらない

メルマガのタイトルは、開封率に直結する重要な要素です。魅力的なタイトルにすることで、受信者の関心を喚起し、開封率を向上させることができます。Benchmark社の「メールマガジン購読状況調査2022」によると、読者がメルマガを開くか開かないかの判断において「タイトル」と答えた人は50%にのぼります。読者の反応や開封率の変動を追跡し、最も効果の高いタイトルを見つけ出しましょう。

開封率が高まるメルマガタイトルのつけ方

前述の通り、メルマガの成功には、魅力的なタイトルが不可欠です。ここでは、開封率が高まるメルマガタイトルのつけ方についてご紹介します。

メルマガタイトルの作成ステップ

メルマガタイトルを作成する際には、以下のステップを踏むことが重要です。

Step 1: ターゲットの設定
Step 2: 要素の洗い出し
Step 3: 要素の並び替え
Step 4: 要素の言い換え・取捨選択
Step 5: 整理
メルマガ タイトル 作成
 それぞれ説明します。

Step1:ターゲットの設定

メルマガのタイトルを作成する際、最初に行うことはターゲットの設定です。開封率が上がらない要因として挙げた通り、ターゲットの設定やセグメントの切り分けが不十分のままメルマガのタイトルを設定しても効果は出ません。ターゲットを既存顧客/新規顧客、CxOクラス/担当者クラスなどセグメントに分けて設定するようにしましょう。

Step 2: 要素の洗い出し

ターゲットが決まり、次に行うことは要素の洗い出しです。今回のメルマガでターゲットに伝えたい要素を出して並べます。例えば、WEBマーケティング支援の会社で自社のサービスの紹介をするのであれば、「マーケ担当」「WEB広告の悩みを解決」「有効なリードの獲得」「LPの改善」「CVRを上げる施策」「無料キャンペーン」などの要素が考えられます。要素を洗い出す際は今回送るメルマガの要約から考えると洗い出しやすいです。また単語や短い文章単位で書き出すとより要素として掴みやすいでしょう。また自社の売り込みたい要素ではなく、ターゲットが魅力的に感じる要素を洗い出すように注意が必要です。自社で抱える顧客データから、ターゲットのとって特別な情報、オファー、問題の解決策など、関心を持つ可能性のある要素を特定すると良いでしょう。

Step 3: 要素の入れ替え

次に洗い出した要素に優先順位をつけ、実際にタイトルに入れるキーワードを絞りこんだうえで、仮タイトルを作成します。その際に最も魅力的な要素や読者にとって重要な要素をタイトルの前半に入れ替えることで、読者の関心を引きやすくなります。

Step 4: 要素の取捨選択・言い換え

Step3で仮タイトルを作成した後に、タイトル内の要素の取捨選択と言い換えを行いましょう。例えば、「WEB広告の悩みを解決!LPのCVRの改善」では、「WEB広告の悩み=LPのCVRが上がらない」ということなので要素が重複してしまっています。「LPのCVRを飛躍的に伸ばしませんか?」など不要な要素を削除し、より読者に伝わりやすいように言い換えると開封率が上がるタイトルが作れます。

Step 5:整理

最後にタイトルを整理し、必要な修正や微調整を行いましょう。読みやすさ、響き、興味を引く力などを考慮しながら、完成度の高いタイトルを作成します。これらのステップを順番に実施することで、効果的なメルマガのタイトルを作成することができます。タイトルは読者の注意を引く第一印象となるため、思考を重ね慎重に作成しましょう。

タイトルの作成時に意識すべき「4Uの原則」

効果的なメルマガタイトルを作成するためには、「4Uの原則」を意識しましょう。4UとはUnique(ユニーク)、Urgent(緊急)、Useful(役立つ)、Ultra-specific(具体的)の頭文字の略であり、セールスライティングの基本原則と言われています。

Unique(ユニーク)

タイトルの作成時には、極力新しい視点や表現方法を用いるようにしましょう。他社が使っている場合や、読者が新鮮味を感じない陳腐な表現を避けるようすることがメルマガに興味を持たせる上で必要です。ユニークさが表れている例として、ユニバーサルスタジオジャパンの経営のV時回復を題材にした本があります。
陳腐なタイトルだと、「USJをV字回復させたマーケティングの極意」などになりそうですが、「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」という、斬新で興味を引くタイトルをつけたことによって大きく売上を伸ばしました。

Urgent(緊急)

メルマガの開封率を上げるには、読者に緊急感を与える言葉やフレーズを使うことも有効です。限定オファーや期間限定キャンペーンなど、「今すぐ読まないといけない」と読者に思わせることで、開封率を上げることができます。例えば、「無料マーケティングコンサル実施中!」よりも、「メルマガ会員限定!先着10社まで無料マーケティングコンサル実施中!」の方が読者により緊急性が伝わり、開封率の向上につながります。

Useful(役立つ)

タイトルには読者にとって役立つ情報や価値があることを示すことでメルマガの開封率を上げることができます。
ここでは単にメリットを述べるだけではなく、「それを手に入れることで得られる未来(=ベネフィット)」も表現することが重要です。例えば、「WEB広告の悩みを解決!LPのCVRの改善」であれば、「問い合わせ数が3倍に!明日からできるLPの改善方法」などに変え、より読者に有責な情報が乗っていると思わせることが重要です。

Ultra-specific(超具体的)

メルマガのタイトルは具体的で明確になるようにしましょう。読者が何を期待できるのかを明示し、曖昧さを排除することで開封率を上げることができます。例えば、「WEB広告の悩みを解決!LPのCVRの改善」よりも、「問い合わせが3倍に!? 効果的なLPの構成とは」など具体的にタイトルにすることで、読み手にもっと詳しく知りたいという感情を持たせることができます。

これら「4Uの原則」を上手く用いて効果的なメルマガを作るようにしましょう。

インパクトあるタイトルになる5つのコツ

4Uの原則を実践しインパクトのあるメルマガタイトルを作成するための5つのコツを紹介します。

1.重要部分を前半に入れる
2.具体的な数字を入れる
3. 括弧/記号を使う
4. 感嘆詞や疑問文を活用する
5. 期日や期間を記載する

それぞれ解説します。


1.重要部分を前半に入れる

先でも述べましたが、メルマガではタイトルの前半に重要な情報を配置することで、読者の関心を引くことができます。メルマガのタイトルは使っているプラットフォームや相手のデバイスによって、表示字数に制限があります。そのため表示される前半部分に重要な情報を入れ込みましょう。また一般的に人間が一目で認識できる文字数は15字程度と言われています。15字以内を目安に重要な要素を前半に入れ込みましょう。

2.具体的な数字を入れる

タイトルに具体的な数字を含めることで、読者に具体性と信頼性を与え、興味を引きやすくなります。例えば、教育系のサービスを販売している場合は、タイトルを「難関大学合格者多数!勉強の秘訣とは?」よりも、「難関大学合格率90%!勉強の秘訣とは?」にした方が信頼性を得られ、開封されやすくなります。

3.括弧/記号を使う

タイトルに【】、★など括弧や記号を使うことで、読者に視覚的なアクセントを与え印象に残りやすくします。括弧内は目立つので、特に見落とされたくない内容である特典情報などを記載すると良いでしょう。例えば「トークスクリプトあり。一流セールスマンのテレアポ営業の極意」よりも「【トークスクリプトあり】一流セールスマンのテレアポ営業の極意」の方が、読者が求めているものが目に留まり、開封率向上につながります。

4.感嘆詞や疑問文を活用する

メルマガのタイトルには感嘆詞や疑問文を使い、読者の好奇心を刺激するようにしましょう。特に疑問文にすると、読者は「自分はどうか?」と考えてしまうので、関心が高まります。またその悩みが読者の悩みを掴んでいるものであれば、より強い関心を引けるでしょう。例えば「成約率が上がらない人に読んでほしい営業クロージング法」よりも「後ちょっとでチャンスを逃していませんか?成約率を上げる営業クロージング法」の方が自分ごとと読者に捉えてもらえるので、開封率が上がります。

5.期日や期間を記載する

メルマガのタイトルに期日や期間を示す言葉を入れることで、緊急感や限定性を演出し、開封率を上げることができます。4Uの原則の内、Urgent(緊急)に当てはまるコツです。例えば、「初回カウンセリング無料キャンペーン実施中!」よりも「5月限定!初回カウンセリング無料キャンペーン実施中!」の方が、今見ておこうと読者の行動を促せるので、開封率は上がります。これらのコツを念頭に置いて、開封率を高めるインパクトのあるメルマガタイトルを作成しましょう。

おわりに

本記事ではメルマガの開封率を最大化するために、具体的な改善方法を提示しました。メルマガの開封率は、「送付先リストのセグメント」や「適切な配信頻度とタイミング」、「効果的なタイトルかどうか」など様々な要因で変わってきます。本記事で紹介したタイトル作成の5ステップやコツなどを参考にしながら、自社のメルマガリストの分析を行い、それぞれのセグメントにあったメルマガを配信するようにしましょう。メルマガの開封率を上げることで、メルマガからコンバージョン獲得数を増やすことや、顧客との深い関わりを築くことができます。本記事が皆様のメールマーケティングのお役に立つと幸いです。

著者情報
金子 光 (かねこ ひかる)
Hikaru Kaneko

大学時代にサンフランシスコに留学。卒業後楽天グループ株式会社に入社。モバイル事業部に配属され、40人規模のチームリーダーを経験。その後はWEBメディアのベンチャー企業に就職。マーケティング領域(特にSEO)で活躍中。