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BtoBのコンテンツマーケティングとは?売上に貢献する方法

マーケティング

目次

競争の激しいBtoBビジネスにおいて、コンテンツマーケティングは顧客に自社のサービスや製品の魅力を効果的に伝えるための有効な手法になってきています。価値あるコンテンツを提供することで、企業はマーケットから認知・信頼され、見込み顧客を惹きつけたり、自社の顧客に変えることができます。しかし、コンテンツマーケティングは戦略をもって取り組まないと取り越し苦労になることもあります。正しい知識やステップを踏むことが重要です。

本記事では、コンテンツマーケティングを成功させるために必要なマインドや知識、コンテンツマーケティングを成功させるための6つのステップ、具体的な事例などを紹介します。

態度変容を目的としたBtoBのコンテンツマーケティング

BtoBにおいてコンテンツマーケティングを行う目的はコンテンツを通じて顧客の態度変容を起こすことです。顧客が企業や商品を知ってから購入に至るまでにさまざまなフェーズを経ていきます。最初は認知から始まり、徐々にニーズが高まっていき、検討を経て、購入の決断へと至ります。

BtoBコンテンツマーケティング コンテンツマーケティング

出典:CONTENT MARKETING LAB

重要なのは、この各フェーズにおいて態度変容を起こし、次のフェーズへ移行するように適切なコンテンツを提供することです。Sirius Decisions社の調査によると、直近の購買意欲がないために企業側がフォローを継続しなかった見込み顧客のうち「80%は2年以内に競合他社から製品を購入している」という結果があります。せっかく獲得した見込み顧客も放置していると競合に流れてしまい、非効率なマーケティング活動になってしまいます。そのため、今すぐ検討する必要がない顧客に対しても、コンテンツマーケティングを通してナーチャリングを行い、自社で見込み顧客の「買いたい気持ち」を高め続けることが大切です。

営業の代わりとなり顧客検討を促進

BtoBビジネスにおいて、コンテンツマーケティングだけで購買に至るケースは稀です。実際、SEデザイン社が2022年11月に行った調査によると、コンテンツマーケティングの実施目的で最も回答が多かったのは「コンバージョンの獲得」でした。どこかのタイミングで営業へとトスアップすることになりますが、営業リソースは無限にあるわけではありません。そのため、できるだけ見込み顧客を惹きつけ、問い合わせやフォーム入力など顧客からのアクティブなアクションが得られるぐらい顧客検討を促進することがコンテンツマーケティングには求められます。

コンテンツマーケティングはSEO対策だけではない

コンテンツマーケティングの代表的な手法といえば、自社のオウンドメディアにSEO記事を掲載し、オーガニックでの集客を増やす方法です。ターゲットとなる顧客から認知を獲得するため、ターゲット顧客の興味関心があるキーワードに対してSEO対策を行うことは昔も今も変わらず重要です。
しかし、コンテンツマーケティングはSEO対策だけではありません。検討を進め、問い合わせなど具体的なアクションを促すためには、さまざまなコンテンツを組み合わせる必要があります。実際、SiteEngine社が2022年10月に行った調査によると、BtoB企業で最も活用されている手法はメルマガで、次点にSEO記事、動画、ホワイトペーパーと続きます。BtoB商材は検討期間が長いものが多いため、その間こちらからアクティブにアクションを行うことができるメルマガも立派なコンテンツマーケティングの手法であり、特にナーチャリングには有効です。

コンテンツ主体の情報提供

CEB社の調査によると、購買プロセスの57%が営業担当と接触する前に終了していると言われています。また、Gartner社の調査によると、購買検討のプロセスにおいて購買担当者がサービス提供業者と実際に接する時間は17%にすぎないとも言われています。つまり、残りの83%の時間は営業担当が直接影響を及ぼせない時間で、その間はコンテンツでのオンライン接触が主体になります。コンテンツと営業が互いに見込み顧客の購買に対して役割を果たすことが必要です。

BtoBビジネスのコンテンツマーケティング成果

コンテンツマーケティングの成果は「検討度合いの高くターゲットとなりうる新規リードの獲得」などを直接的な成果として見ることが多いです。例えば、コンテンツマーケティングを行う場合と、コンテンツマーケティングを行わず、テレアポなどのアウトバウンド営業をすることを比較してみます。一般的に完全な新規顧客の場合、テレアポの成功率は1%未満と言われています。一方で、資料請求や問い合わせなどからのアポイント取得率を例えば30%程度だとしましょう。検討度合いが高いことから受注率が3倍になると仮定するとコンテンツマーケティングを通じた1件のコンバージョンが100件のテレアポと同じぐらいの貢献度になると考えることができます。

BtoBのコンテンツマーケティングは営業活動を効率化する

先ほどのテレアポとの比較で見ても、コンテンツマーケティングに取り組むことで営業活動を効率化することができ、直接的にも間接的にも売上増加に貢献できることが分かります。営業活動をより効率化していくためには以下の観点でコンテンツを作ることが重要です。

1. 顧客の役に立つ情報を届ける
2. カスタマージャーニーフェーズごとにコンテンツの目的を明確化する
3. 営業活動にも活用できる深い情報のコンテンツを盛り込む
4. 売り上げに近い部分からコンテンツ作成に着手する

それぞれ、具体的に解説します。

1.顧客の役に立つ情報を届ける

コンバージョンを目指してコンテンツを作成するとはいえ、大前提で重要なのは「顧客の役に立つ情報であるか」という視点です。発信する情報が顧客の役に立つという信頼感を得ながら、コンバージョンに繋げていくための営業視点での戦略性が求められます。

2.カスタマージャーニーフェーズごとにコンテンツの目的を明確化する

役に立つ情報を発信するためには、ターゲットとする顧客が何を知りたいのか解像度を高める必要があります。そこで活用できるのが「ペルソナ」と「カスタマージャーニー」という考え方です。ペルソナとは、自社の理想の顧客像のことで、ペルソナを可視化しておけば、コンテンツ制作に関わるチームで共通認識を持つことができ、一貫性を持った情報発信ができます。カスタマージャーニーマップは、見込み顧客が自社を認知してから、購入に至るまでのプロセスのことです。顧客がカスタマージャーニーのどのフェーズにいるのかによって必要な情報は変わってきます。繰り返しになりますが、コンテンツマーケティングは顧客の態度変容を促すことが大切です。次のフェーズに進めるにはどのようなコンテンツが必要か、目的を明確化した上でコンテンツを作成することが重要です。

3.営業活動にも活用できる深い情報のコンテンツを盛り込む

営業活動にも活用できるセールスコンテンツを作成することで、商談後のフォローアップや、インサイドセールスの再アプローチ時のフックにも活用できます。また、あらかじめ情報をコンテンツ化しておくことで、営業メンバーの知識やスキル差による成果のばらつきを抑え、成果を安定させることにも寄与します。

4.売上に近い部分からコンテンツ作成に着手する

カスタマージャーニーの売上に近い部分から改善することで全体の成果を効率的に上げることができます。集客数が10%上がるよりも、アポ取得率が10%上がる方が売上貢献へのインパクトは大きくなるため、まずは売上に近いフェーズでのコンテンツ作成に着手するのが良いでしょう。

営業観点でのコンテンツマーケティングのメリット・デメリット

コンテンツマーケティングを行うことは営業観点で以下のメリット・デメリットがあります。それぞれ詳細を説明します。
コンテンツマーケティング 営業強化

メリット

受注までのリードタイムが短くなる

コンテンツマーケティングにより検討度合いの高い顧客が増えれば、商談もスムーズに進みます。そのため、問い合わせから受注までのリードタイムの短縮が見込めます。

多くの人に情報を届けられるようになる

通常の営業活動では営業リソースが限られており、価値ある情報が提供できる状態であってもアプローチできる企業数は限られています。しかし、コンテンツマーケティングを活用すれば、一度に多くの人へ情報を提供することができます。

営業の説明をコンテンツで補足できる

商談の時間は限られており、全ての情報を営業の口から説明できないこともあります。そんな時にコンテンツがあれば、商談以外でも営業の説明を補足することができます。また、商談前にコンテンツによって前提知識が揃っていて、見込み顧客が理解を進めていれば、商談でもより深い議論ができるようになります。

デメリット

見込み顧客が増え、対応工数が増加する

見込み顧客が増えることは良いのですが、その分営業の対応工数が増えることが想定されます。自社の営業リソースを鑑みて、重要な顧客に注力するため、リードのフォロー数は調整する必要があります。近年、増えてきているザ・モデル型の営業組織であれば、インサイドセールスでアポイントの基準を調整する方法をとることができます。

ターゲット以外の企業対応も増える

こちらから狙った顧客に対して能動的にアクションする営業する方法ではないため、ターゲット以外の企業からの問い合わせも増える可能性があります。コンテンツで取り扱うテーマを広げるほど自社に関係のない企業に不用意にアプローチしてしまうことになるため、PV(ページビュー)数狙いであまりテーマを広げすぎるのは注意が必要です。

他の業務が後回しになる可能性がある

一般的に、コンテンツマーケティングは時間と労力を必要とします。そのため、マーケティングチームが担う業務の一部が停滞する可能性があります。特にマーケティングチームのリソースが多くない場合は、全体的に最も効果的な取り組みに注力する必要がありますので、コンテンツマーケティング以外の業務とのバランスをとる必要があります。

マーケティング観点から見たコンテンツマーケティングのメリット・デメリット

次に、マーケティング観点で見たコンテンツマーケティングのメリット・デメリットについて説明します。

コンテンツマーケティング 営業強化

メリット

低コストでスタートできる

コンテンツ制作は頑張れば全て内製でできるため低コストでスタートできます。一度作成してしまえば、広告費をかけることなくあらゆるチャネルで活用ができるので、コストパフォーマンスも高い取り組みといえます。

SEOやSNSによって拡散力がある

コンテンツに価値があれば、SEOやSNSによって拡散が期待できます。こちらもうまくいけば、広告費を一切かけることなく、多くの顧客へアプローチすることができます。

成果が積み上がっていくストック型の資産になる

コンテンツマーケティングは作れば作るほど成果が積み上がっていき、ストック型の資産になります。リスティング広告などは継続的に広告費をかけないと効果が継続しませんが、コンテンツマーケティングは蓄積され続け、コストをかけずに効果が継続します。

デメリット

継続的なコンテンツ制作が必要なため、業務量が増える

コンテンツマーケティングはニーズ調査から企画、制作など、結構な工数をかけて行う必要があります。また、単発の施策ではなく、継続的に行っていく必要があります。他業務とのバランスを見ながら、運用がスムーズに進む組織体制や運用方法を検討しておきましょう。必要に応じて外注なども有効な手段になり得ます。

成果が出るまでに時間がかかり、評価しにくい

一般的に、情報発信量が少ない初期の段階では成果に繋がりにくいです。コンテンツマーケティングは徐々にレバレッジが効いてくる取り組みのため、長期的な視点(最低でも1年以上)で評価していくことが必要です。

既存コンテンツも定期的にアップデートが必要になる

変化の激しい業界では、時間が経つにつれて情報が古くなっていき、価値がなくなっていくものもあります。そのため、一度作成したら終わりではなく、定期的なアップデートが必要です。顧客にとって読まれやすいコンテンツであるかはSEOの順位を参考にするとよいでしょう。

BtoBのコンテンツマーケティングを成功させるための6ステップ

ここからはコンテンツマーケティングを成功させるためのステップについて説明します。コンテンツマーケティングを成功させるには以下の6つのステップが必要です。

BtoBコンテンツマーケティング 営業強化

1. ターゲットペルソナと想定カスタマージャーニーの策定

最初のステップはターゲットとなる顧客のペルソナの設定と、想定されるカスタマージャーニーを策定することです。BtoBの場合、ターゲットとなる企業と担当者両方の情報を詳細に設定する必要があります。ポイントは、業務上の役割や課題に関する点を中心にすることと、読み手によって解釈が分かれないよう、極力抽象的な言葉を避けて具体的な表現で作成することです。作成にあたっては、営業担当やカスタマーサクセス部門へヒアリングしたり、社内のCRMから過去の受注顧客のデータを分析する方法が有効です。対象者の定性・定量両方の情報を集め、顧客同士の共通項を言語化していくことになります。

設定したペルソナが、どのようなカスタマージャーニーをたどっていくか、始点から終点までの行動を具体的に洗い出します。洗い出した行動を大きなまとまりごとに分類し、それぞれのステージとして名付けていきます。
次に、そのステージにおける顧客の感情や、顧客とのタッチポイントを洗い出し、これまで洗い出した顧客の行動と感情、顧客接点を俯瞰し、ギャップへの対応策を検討します。対応策が出そろったら、実行する施策の優先順位を決定しましょう。

ペルソナとカスタマージャーニーの作成方法はこちらの記事も参照ください

カスタマージャーニーマップ BtoBコンテンツマーケティング 営業強化

2. 数値目標から逆算した注力ポイントの設定

次に、作成したカスタマージャーニーの各フェーズの遷移率を分析します。目標の数値に対して、ボトルネックになっているところやコンテンツマーケティングを通じて改善の余地が大きいところを注力ポイントとして設定します。

3. リソースに合わせた制作計画

注力ポイントが設定できたら、限られたリソースの中で最大限効果を発揮するためにも行き当たりばったりに制作を進めるのではなく、自社のリソースに合わせた制作計画を策定します。1記事あたり制作するのにどれくらいの時間が必要かを計算して、月間で何件コンテンツを制作できるかを計画していきます。

4. クオリティを意識したコンテンツ制作

実際の記事の制作においてはクオリティを重視しましょう。これまで作成してきたペルソナやカスタマージャーニーを活用しながら顧客視点で役に立つ情報が提供できているかを意識しましょう。また、コンテンツマーケティングは顧客の態度変容が目的です。自社が提供できるサービスや商品などの価値に関する情報がコンテンツ内に盛り込めているかも意識しながらコンテンツ制作を進めることが重要です。

5. 外注リソースも考慮した量産体制の整備

質の高いコンテンツを量産していくためには外注リソースの活用も含めた体制の構築も検討する価値があります。株式会社Hub Worksが2022年10月に行った調査によると、デザインやコンテンツ配信など、専門性が必要なものや工数が必要とされる作業に関しては外注を活用している企業も多いです。

BtoBコンテンツマーケティング 営業強化

出典:Hub Works

6. 成果を大きく左右する営業部門からの定期的なフィードバック

コンテンツマーケティングが営業活動に貢献できているか定期的に営業部門からフィードバックを貰うことも重要です。コンテンツが見込み顧客に対して役に立つものになっているか、コンテンツマーケティングを通じて獲得できたリードが自社のターゲットにマッチしているかなど、営業に正しく貢献できているかどうかをチェックしていきます。このPDCAを回していくことで、最も効果が出るようにコンテンツをチューニングしていく必要があります。

コンテンツはマーケティングチャネルと種類のかけ合わせ

BtoBのコンテンツマーケティングは「どのチャネルを通じて届けられるか」と「コンテンツの種類」の2つの要素の掛け合わせによって成り立ちます。ここではBtoBのコンテンツマーケティングにおいて用いられる代表的なマーケティングチャネルとコンテンツの種類について解説します。

マーケティングチャネル

BtoBのコンテンツマーケティングにおいて用いられる代表的なマーケティングチャネルは以下です。
1. SEO(自社サイト)
2. 外部サイト(記事広告など)
3. SNS
4. メルマガ
5. プレスリリース

1.SEO(自社サイト)

SEOは自社サイト内で記事を配信し、検索エンジン上位表示を目指す手法です。ユーザーの検索意図に合わせたキーワードを用いることで、アクセス数の増加や顧客獲得に繋げることができます。

2.外部サイト(記事広告など)

ニュースサイトや業界誌など、第三者のサイトに広告を掲載し、ターゲット層にアプローチする手法もBtoBにおいてはよく用いられます。ターゲット顧客の業界が特定の場合、業界誌などのメディアへの掲載が効果的です。

3.SNS

最近では、TwitterやFacebook、Instagramなど、ソーシャルメディア上にコンテンツを発信する手法もBtoBでも増えてきています。企業アカウントを開設し、フォロワーを増やすことで、製品やサービスの知名度向上や顧客獲得に繋げることができます。

4.メルマガ

問い合わせや展示会、営業活動を通じて得られた顧客リストに対し、情報をメールで配信する手法です。顧客のカスタマージャーニーに合わせたコンテンツを配信することで効果的にリードナーチャリングすることができます。

5.プレスリリース

プレスリリースは、新製品やサービスなどの企業情報をメディアに配信する手法です。うまく活用できれば、キュレーションサイトなどでの二次展開が期待できます。

コンテンツの種類

BtoBのコンテンツマーケティングにおいて用いられる代表的なコンテンツの種類は以下です。
1.サービスページ(商品・サービスについての説明紹介)
2.ランディングページ(広告用の見やすいページ)
3.SEO記事(検索キーワードを意識した記事)
4.ノウハウ記事(自社独自の知見など、セールスコンテンツに近いもの)
5.事例記事
6.ホワイトペーパー
7.調査レポート
8.  動画
9.  静止画・インフォグラフィック
10. ウェビナー

1.サービスページ(商品・サービスについての説明紹介)

サービスページは企業の製品やサービスに関する情報を掲載したページです。商品の機能や特徴、料金などを紹介することで、購買意欲を促すことができます。

2.ランディングページ(広告用の見やすいページ)

ランディングページは、広告をクリックして訪問した顧客へ、商品やサービスの情報を簡潔に伝えるページです。

3.SEO記事(検索キーワードを意識した記事)

SEO記事は、検索エンジン最適化を目的とした記事です。ターゲット層に向けたキーワードを含め、問題解決や情報提供などのコンテンツを配信することで、検索エンジンでの上位表示を狙います。

4.ノウハウ記事(自社独自の知見など、セールスコンテンツに近いもの)

ノウハウ記事は、企業の専門分野や技術などの知識を紹介した記事です。ターゲット層に向けた専門的な内容を提供することで、企業のプレゼンスを高めることができます。

5.事例記事

事例記事は、既存顧客の成功事例などを紹介した記事です。実績のアピールや、同業界へのアプローチに活用ができます。

6.ホワイトペーパー

ホワイトペーパーは、企業の専門的な知識や提供するサービスの詳細を解説したレポートです。フォーム入力でダウンロードできる形にしておくと、興味関心層の潜在リード獲得に繋がります。

7.調査レポート

企業が行った調査結果を紹介するレポートも顧客にとっては価値のある情報になり得ます。また、これらのコンテンツは商談の場面でも活用できるコンテンツになります。

8.動画

最近は製品の機能紹介やコンセプトムービーなどをYouTubeなどで配信するケースも増えています。視覚的なインパクトが大きく、情報の伝達効果が高いことが特徴です。

9.静止画・インフォグラフィック

インフォグラフィックは、統計データや調査結果などを図や表、イラストにすることです。直感的に理解しやすいコンテンツで短時間で情報を効率的に伝えたい時に効果的です。

10.ウェビナー

ウェビナーは、ウェブ上で行われるセミナーのことです。参加者と双方向でリアルタイムのコミュニケーションができるため、より深いアプローチが可能です。

BtoBコンテンツマーケティングの王道、オウンドメディア

BtoBコンテンツマーケティングを始める上で、もっとも始めやすい方法はオウンドメディアを作成することです。自社のノウハウや情報を記事化し、ウェブサイト上で公開することで、ターゲット層の関心を引くことができます。オウンドメディアには、SEOによる検索流入増加や、メールマーケティングからの行動喚起にも利用できます。定期的にコンテンツを更新することで、ユーザーの関心を引き続けることができ、長期的な効果も期待できます。コンテンツマーケティングを始める際にどこから手をつけていいか迷われたら、まずは王道のオウンドメディアから検討してみましょう。

オウンドメディアの立ち上げ方についてはこちらの記事をご覧ください。

BtoBコンテンツマーケティングの事例

最後に、BtoBコンテンツマーケティングの成功事例について3つご紹介します。いずれのケースにおいても、ポイントは顧客にとって価値のあるコンテンツが制作できているか、それらを届ける手段が適切かという点です。

Hubspot

CRMプラットフォームを展開するHubspot社では、リード創出だけを目的とせず、顧客に価値提供することを重視したオウンドメディア運営を実施。検索経由のトラフィックは2倍、ブログ経由で醸成したリード数は3倍という成果をだしています。(出典:MarkeZine

ハーモ

プラスチック射出成形に関わる機器の老舗メーカーであるハーモでは、コーポレートサイトとは別にマーケティングサイトを開設することで、新規リード獲得3倍、売上貢献も3倍を実現しています。(出典:MarkeZine

キャリアデザインセンター

「type/女の転職」など転職サイトの運営、人材紹介事業などを行うキャリアデザインセンターでは、自社ブログの運営やメールマーケティングを活用し、「type/女の転職」サイトでSQLは5倍、SQLからの売上は1.8倍という実績が出ています。(出典:MarkeZine

おわりに

BtoBのコンテンツマーケティングは、マーケティングの指標だけでなく、営業の指標も意識することでより強力で効果的な施策になります。営業活動を意識して、常に成果を見える化、改善点を洗い出し営業部門と連携をすることが、コンテンツマーケティングの成功に繋がります。

著者情報
田村 佳士(たむら けいし)
Keishi Tamura
2015年に東証一部上場の人材企業に入社し、新規営業、新規事業開発に従事。2018年に機械学習ベンチャーに出向し、AI技術を駆使した新規事業の企画を推進。その後、2020年に転職し、現在は大手IT企業にてAIプロダクトのプロジェクトマネージャを担当。エンタープライズ企業へAIプロダクトの導入プロジェクトの推進やプロダクト企画に勤めている。