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BtoBマーケティングの基本フレームワークを利用シーン別に解説

マーケティング

目次

マーケティングの世界には多くの有名な「フレームワーク」が存在します。フレームワークを用いることで、マーケテイング戦略を練る上で観点の抜け漏れがなくなり、より強固なロジックに基づいて施策を打てるようになり、施策の精度も上がります。その一方で、BtoBマーケティングにおいて、適切なフレームワークを適切なシーンで使うのは意外と難しいものです。

本記事では、BtoBマーケティングを優位に進めるためのフレームワークを、利用シーンごとにわかりやすく解説します。本記事を見た後にはそれぞれのフレームワークを使いこなせるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。

BtoBマーケティングのフレームワークとは

BtoBマーケティングのフレームワークを紹介する前に、そもそもマーケティングにおけるフレームワークについて確認しましょう。

マーケティングフレームワークとは

ビジネスにおけるフレームワークとは、どの業界・会社にも共通する、ビジネスを進める上での意思決定や分析、問題解決、戦略立案などで共通して用いることが出来る考え方の枠組み(フレームワーク)のことを指しています。その中でも、マーケティングフレームワークは、マーケティングに関する戦略や施策の立案や分析、改善に用いることができるものを指します。例えば、「競合が多くいる業界の中でどのように差別化を図りシェアを拡大していくか」「自社の製品を顧客に訴求するのに最適な施策は何か」など、マーケティング上の課題解決をしたい時に、フレームワークを使うことによって考え方を整理しやすくなります。マーケティング以外にも、経営戦略フレームワーク、事業戦略フレームワーク、製品戦略フレームワークなどビジネスにおけるプロセスにおいて様々なフレームワークがあります。

フレームワークを利用するメリット

フレームワークを利用する最大のメリットは、複雑なビジネス課題に対して、どんな人が用いても効率よく情報を整理する事ができ、社内外の関係者の説得や合意形成をスムーズに行える事です。フレームワークは優秀な研究者や実務者が作成したもので、その思考プロセスを体系化したものになります。0から物事を考えるのではなく、フレームワークに沿って情報を当てはめて考えることで素人でも優秀な人と同じ思考プロセスを辿れるため、迷いなく質の高いアウトプットを出す事ができます。また、フレームワークを利用することで、おのずとMECE(情報に漏れやダブりが無い)なアウトプットを作成することができるため、関係者との合意形成を図りやすくなります。

BtoBマーケティングの特徴

フレームワークの多くはBtoB/C問わず共通して利用できますが、BtoBでは顧客の購買意思決定のプロセスがより長期かつ複雑であるため、フレームワークの利用方法が異なるケースもあります。例えば、マーケティングフレームワークとして有名な「3C分析」ではCustomer(市場・顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)の3視点から分析しますが、BtoBにおいてはこれらに顧客企業の3Cまで加えた「6C分析」を用いるケースもあります。本記事ではBtoBマーケティングでよく利用されるフレームワークを、利用シーンとBtoBならではの注意点を踏まえて解説していきます。

BtoBマーケティングの基本ステップとフレームワーク 

BtoBマーケティングプロセスは米国の著名な経営学者コトラーが提唱した「R-STP-MM-I-C」のプロセスに沿って考えると良いでしょう。「R-STP-MM-I-C」はResearch(調査)-Segmentation(セグメンテーション)/Targeting(ターゲティング)/Poisitioning(ポジショニング)-MarketingMix(戦略の具体化)-Imprimentation(実行)-Control(管理)の頭文字を取っており、自社が攻めるべき市場を選定し戦略を考える戦略立案プロセスと立てた戦術を実行していく戦術実践プロセスに分ける事ができます。

R-STP-MM-I-C フロー BtoBマーケティング
本記事ではBtoBマーケティングの戦略立案プロセスに必要な環境分析(R)や戦略策定(STP)で使えるフレームワークや施策策定(MM)で使えるフレームワークを紹介します。

BtoBマーケティングにおける戦略の立て方についてはこちらの記事でも詳細に解説しているのでぜひ参考にして下さい。

環境分析で使用するフレームワーク

環境分析は、自社の内部と外部のマーケティング環境を分析し、自社が置かれている状況と戦略的課題の把握、それに対して適切な施策を打つために必要となるステップです。3Cと呼ばれる「市場・顧客(Customer)」、「業界・競合(Competitor)」、「自社(Company)」の順に分析するのが、網羅的に環境分析を行うためのポイントとなります。市場分析は、マクロ環境分析(PEST) やミクロ環境分析(5Force)、 業界や自社は バリューチェーン 分析(VRIO)などのフレームワークが有効となります。これらのフレームワークで洗い出した情報を、SWOT分析などで整理することで、マーケティングにおける機会と脅威、自社のとるべき戦略方針が明らかになります。それぞれ解説していきます。

PEST分析(PESTLE分析)

PEST分析はマーケティング戦略立案時用いられる分析手法で、ビジネスや市場に対する環境分析のフレームワークの一つであり、政治(Political)、経済(Economic)、社会(Social)、技術(Technological)の4つの要素を調査し、それぞれの要素が自社のマーケティングに与える影響を評価する手法です。最近では、上記の4つの他にも法的要因(Legal)、環境要因(Environmental)を足した「PESTLE分析」が主流になりつつあります。

PESTLE分析

PEST分析(PESTLE)の概要

・目的:自社を取り巻く外部環境の正確な把握
・使用シーン:マーケティング戦略の立案時
・メリット:自社ビジネスの外部環境によるリスクや機会の発見
・活用例:海外進出を考えているBtoB精密機器メーカー
 └政治(P):輸出入規制や政治的不安定要素はないか
 └経済(E):GDP成長率や通貨価値と為替リスクなどに問題がないか
 └社会(S):文化的な違いや人口分布の違いによるニーズの差はないか
 └技術(T):IT技術の進歩などがどのように影響するか
 └法律(L):産業規制や各種法律要件は問題ないか
 └環境(E):環境に配慮したテクノロジーの需要はどれくらいか

PEST分析(PESTLE)を行うときの注意点

PESTLE分析は「来月のノルマを達成するための施策立案をする」などの短期的な計画作成には適さないので注意しましょう。PETLE分析を行う際は、情報源は政府が公開している統計情報や専門雑誌など信頼性が高い情報を集める事が重要です。あくまで自社に影響する外的要因を把握することが目的となるので、6つの要素のうちどれに収集した情報を割り振るか迷っても深く考える必要はありません。PESTLE分析を行う際は集めた情報を「事実と解釈」「機会と脅威」「短期と長期」に分類しながらマーケティング戦略の立案時に使えるようにしましょう。

5force分析

5Force分析

5Force分析は、新規商品の開発や新規参入のマーケティング戦略を練る際に使われるフレームワークです。業界全体の収益構造を明らかにし、自社の”利益の上げやすさ”を検証する際に有効です。5Force分析では「新規参入者の脅威」「競合他社の競争力」「代替品の脅威」「顧客の交渉力」「供給者の交渉力」に切り分けて分析をしていきます。

5Force分析の概要

・目的:自社ビジネスの競争要因の把握
・使用シーン:新商品開発や新規参入時
・メリット:他業界の脅威まで把握できる
・活用例:BtoB精密機器メーカー
 └新規参入者の脅威:専門的な知識や特別な設備等が必要か
 └競合他社の競争力:大手企業の存在するか、他者のブランド力は強いか
 └代替品の脅威:他業界の商品やサービスが現在の商品やサービスの代替になるか
 └顧客の交渉力:顧客の価格や販売条件に対する交渉力はどれほどか
 └供給者の交渉力:供給者側は独占的か、代替供給源はあるか

5Force分析を行うときの注意点

5Force分析では、図の縦軸と横軸の2軸で分析します。図の縦軸である「新規参入者の脅威」「競合他社の脅威」「代替品の脅威」から、市場における利益のあげやすさを把握できます。例えば、参入障壁が低く、競合や代替品の脅威が大きい場合はシェアの取り合いが予測され、利益を生み出しにくい市場であるといえます。また横軸である「売り手の交渉力」「競合他社の脅威」「買い手の交渉力」から自社の優位性を把握できます。もし競合他社と類似商品が多い場合は買い手の交渉力が高まり値下げ競争に巻き込まれる可能性を見極めます。こうした情報から、業界の競争構造やビジネス環境を理解し、競争優位性を築くための適切な戦略を考える素材が得られます。

バリューチェーン・VRIO分析

バリューチェーン分析とVRIO分析は、自社の競争力の把握や戦略形成に使うフレームワークです。バリューチェーン分析は、原料の調達から市場での流通・販売までの流れを企業が提供する「価値の連鎖」と捉え、事業の工程を分析をし、それぞれの活動がどのように価値を生み出し、競争力を向上させるかを理解するために行います。バリューチェーン分析ではビジネスを「主活動」と「支援活動」の2つに分けてそれぞれを細分化します。主活動は購買物流や製造やマーケティングなどの活動で、支援活動はそれらをサポートする「企業管理」「人事・労務」「技術開発」が当てはまります。
自社の工程を洗い出したら、それぞれの工程の自社の強みや弱み、コストを洗い出し改善点や付加価値を明らかにします。ここで自社の各工程が市場競争においてどのくらい優位性があるか評価するためにVRIO分析を行います。VRIOは「Value(価値)」「Rareness(希少性)」「Imitability(模倣困難性)」「Organization(組織的整合性)」の頭文字を取ったもので、それぞれの項目に対しYes/Noで答えていきます。Noがある場合は課題がある部分なので改善案がないか確認します。

バリューチェーン・VRIO分析の概要

・目的:自社の競争力の把握とマーケティング戦略形成
・使用シーン:差別化戦略立案 / 既存事業の業務改善
・メリット:事業工程事の強み弱みの把握ができる / コストの最適化ができる
・活用例:画像参照

バリューチェーン VRIO分析

バリューチェーン・VRIO分析を行うときの注意点

バリューチェーン分析を行う際は、「主活動」と「支援活動」の洗い出しが重要になります。対象事業に関係する全ての活動を機能的に分類し、漏れなく洗い出すようにしましょう。分析時には多くの事業部間での情報が重要になります。特に強みと弱みは事業の現状を正確に洗い出すためにできるだけ多くの人から話を聞くようにしましょう。コストの割り出しも単に数字を出すだけではなく、コストの比率やコストドライバーの分析、各工程でのコストの関連性(Aのコストを削減するとBのコストが上がる)などを正しく把握することが重要です。

SWOT分析

SWOT分析は、競合や市場トレンドといった自社を取り巻く外部環境と、自社の資産やブランド力、さらには価格や品質といった内部環境を、プラス要因とマイナス要因に分類して分析するフレームワークです。「Strengths(強み)」「Weaknesses(弱み)」「Opportunities(機会)」「Threats(脅威)」の観点から自社の状況を分析します。

SWOT分析

SWOT分析の概要

・目的:効果的な経営・マーケティング戦略の立案
・使用シーン:経営・マーケティング戦略の立案時、現状分析
・メリット:既存事業の改善点・新規事業の将来的なリスクが把握できる
・活用例:BtoB精密機器メーカー例
 └S:高度な技術力に基づく高品質の製品開発と製造
 └W:製造プロセスのコスト効率の改善の必要性
 └O:IoT技術や自動化への需要増加に伴う新市場への進出機会
 └T;競合他社の新技術や低価格製品の参入による競争激化

SWOT分析を行うときの注意点

SWOT分析を行うときは、経営者や営業、エンジニアなど様々な視点を持つ人に協力を仰ぎ、抜け漏れなく分析することが理想的です。そのためにも、どの事業やプロダクトに対してSWOT分析をするか、どんな目的のために分析するのかなど前提条件を擦り合わせるようにしましょう。SWOT分析が完了したら、「クロスSWOT分析」を行い、より具体的な戦略を立てることもおすすめです。「機会×強み」「機会×弱み」「脅威×強み」「脅威×弱み」で外部環境に対して、どのように自社の内部的要因を活かし、機会を最大化するか(もしくはリスクを最小限に抑えるか)を具体的に考えていきましょう。

戦略策定で使用するフレームワーク

環境分析で使用するフレームワークの次は戦略策定の際に使用するフレームワークについて解説します。環境分析で行った調査内容を基にマーケティング戦略を練っていきます。

STP分析

STP分析は、市場セグメンテーション(Segmentation)、ターゲット市場(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の観点から分析を行う、マーケティング戦略のフレームワークです。「セグメンテーション」で市場の全体像を把握し、「ターゲティング」でその中で狙うべき市場を定め、「ポジショニング」で競合他社との位置関係を決定します。STP分析を行うことで、マーケティングにおける取るべき戦略やその方向性、成功確度などを把握する事ができます。

STP分析

STP分析の概要

・目的:市場理解と適切なターゲティング設定
・使用シーン:事業戦略立案 / マーケティング戦略立案
・メリット:競合との差別化ポイント明確化 / 顧客やニーズの整理
・活用例:BtoB精密機器メーカー例
 └S:医療向けや自動車向けなどのセグメントの切り分け
 └T:セグメントの中で自社の強みが発揮されるターゲットを選ぶ
 └P:SとTの中でも競合との立ち位置を明確化にする

STP分析を行うときの注意点

STP分析を行うときに重要な点は「ユーザー目線」で考える事です。例えばセグメント分けでは、地理的変数や人口統計的変数、心理的変数、行動変数など様々な変数で切り分けることができますが、いたずらに市場を細分化するのではなく、顧客のニーズや特性に焦点を当て、自社の提供サービスに即して必要最小限の数に市場を分割することが重要です。

6R

6RはSTP分析のセグメント分けした市場の中で、ターゲットとする市場選定を行う際に有効なマーケティングフレームワークとなります。市場規模(Realstic Scale)、成長性(Rate of Growth)、競合状況(Rival)、優先順位(Rank)、到達可能性(Reach)、反応の測定可能性(Response)の6つの基準からターゲットとする市場を見定めます。

6R

6Rの概要

・目的:ターゲティングする市場の選定
・使用シーン:STP分析時
・メリット:競合との競争の回避、コンバージョンの確度が高い顧客の発見
・活用例:BtoB精密機器メーカー例
 └市場規模:どの販売先の業界の市場規模が大きいか
 └成長性:どの販売先の業界の市場が成長率が高いか
 └競合状況:どの販売先の業界の市場が競合が弱いか
 └優先順位:顧客にとって自社プロダクトは優先順位が高いか
 └到達可能性:自社プロダクトは顧客にアプローチしやすいか
 └反応の測定可能性:アプローチの効果は測定しやすいかどうか

6R分析を行うときの注意点

それぞれの項目で注意点はありますが、必ずしも「競合に大手がいる」や「市場規模がおおきい」という短絡的な情報で自社のマーケティング戦略をを決めることはやめましょう。例えば大手の競合がいる場合でもシェアが偏っている場合は勝機がありますし、ニッチな市場を狙うことで確立したポジショニングが取れる可能性があります、自社の状況を正確に捉えて、勝ち筋が見えるポジショニングが取れるような分析をするようにしましょう。

施策策定で使用するフレームワーク

環境分析や戦略策定の分析が終わったら施策策定のフェーズに映ります。施策策定には下記のフレームワークが有効です。

4P分析/4C分析/SAVE

4P分析  / 4C分析 / SAVEはマーケティング戦略において具体的な施策を出す際に用いるフレームワークです。

4P分析

4P分析

4P分析は製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販促(Promotion)の観点で自社の目的や戦略に沿って「何を・いくらで・いつ・どこで・どんな手法で」販売するかを明確にするフレームワークです。

4P分析を行う際の注意として下記の点を抑えるようにしましょう。
・製品(Product):商品はターゲットのニーズや課題を満たせるか / 製品やサービスを通じて顧客が得られるベネフィットは何か / 競合他者の商品との差別化ポイントは何か、上記を踏まえた商品の機能やサイズ、品質になっているか
・価格(Price):顧客が納得できる価格帯か、採算が取れる価格か、競合の商品と比べて適切な価格設定か
・流通(Place):販売チャネルは顧客にとって購入しやすいものか、販売する地域は適切か
・販促(Promotion):製品をどのように訴求していくか、オフライン/オンラインのどの媒体で販促を行うのか、ターゲットはどんな情報収集をするのか

4C分析

4P分析はBtoCで使われることが多いのですが、BtoBであれば4C分析も有効です。4C分析は4P分析を顧客視点に置き換えたもので、顧客ソリューション(Customer Solution)、顧客コスト(Cost)、利便性(Convinience) 、コミュニケーション(Commyunivation)の略からきています。

4Cを4Pに照らし合わせると下記のようになります。
・顧客ソリューション(Customer Solution)→製品(Product)
 →顧客が抱える課題をどのように解決するか
・顧客コスト(Cost)→価格(Price)
 →価格を顧客が払うコストと捉え、その分の価値があるかどうか
・利便性(Convinience) →流通(Place)
 →顧客が入手しやすいか
・コミュニケーション(Communication)→販促(Promotion)
 →顧客との良好な関係の構築のためにどのようなプロモーションが必要か

4C分析を行うことで顧客からの視点を忘れずにマーケティング施策の立案につなげることができます。

SAVE分析

SAVEは4P分析を今の時代に合わせて変化したもので、BtoBマーケティングやインバウンドマーケティングに適したフレームワークです。Solution(解決策)、Access(接触・接点)、Value(価値)、Education(教育)の4つの観点から分析し、具体的なマーケティング施策に落とし込みます。

SAVE分析を行う際は下記の観点が重要です。
・Solution(解決策):プロダクトの機能や品質の向上に注力するのではなく、顧客が抱えている課題やニーズをどのように解決できるか
・Access(接触・接点):顧客の購買プロセスを把握した上で、どのように顧客と接点を作りアプローチしていくか
・Value(価値):顧客にとって価格に見合う価値を提供できるか
・Eduaction(教育):広告宣伝以外にも、オウンドメディアを通じてプロダクトに対し、顧客の関心や興味を高め、理解を深めてもらえるか

4P分析 / 4C分析 / SAVE分析を行うことで、自社のマーケティング施策を具体的に練ることが可能です。

ペルソナ/カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップは顧客の購買体験のプロセスを可視化し、自社とのタッチポイントの明確化とそれに対する具体的な施策案を出すためのフレームワークになります。

カスタマージャーニーマップの概要

・目的:顧客と自社の接点の明確化 / 改善
・使用シーン:マーケティング施策の立案 / 見直し時
・メリット:一貫性のある顧客体験の創出 / 施策の優先度の明確化
・活用例:営業系SaaS商品を販売するBtoB企業

カスタマージャーニーマップ

 

ペルソナ分析

カスタマージャーニーマップ作成時に行って欲しいことの一つにペルソナ分析があります。ペルソナとは自社が定めたターゲットとなる具体的な顧客像のことを指します。例えば営業系SaaS商品を販売するBtoB企業のターゲットが「大企業のDX推進部」とすると、ペルソナは「〇〇株式会社DX推進部に属するA部長。自社の営業効率の悪さが課題でインターネット等を通じで情報を収集している」など、よりリアリティのある情報を入れ込んだターゲット像になります。ペルソナ分析を行う際は、実際にその担当者の行動パターンや普段考えていることなどにフォーカスをします。実際に自社の製品を購入する確度の高い顧客属性を反映させたペルソナを作ることで、精度の高いカスタマージャーニーマップを作ることが可能になります。

カスタマージャーニーマップ / ペルソナ分析の注意点

BtoBマーケティングにおいて、カスタマージャーニーマップを用いて分析する際は組織と個人それぞれのペルソナを立てるようにしましょう。購買担当者の行動はその会社の課題解決のためなので、組織としてどのような課題や承認プロセスなどを減らすかなども考える必要があります。またカスタマージャーニーマップ作成時は営業担当の活動も忘れずに含めてください。BtoB企業であれば営業の役割は大きい場合がほとんどなので、オンライン上の接点以外の部分も加味するようにしましょう。

カスタマージャーニーマップについてはこちらの記事でも解説しているのでぜひ参考にしてください。

おわりに

本記事ではBtoB企業向けに、マーケティングの活動プロセスの中でよく使われるフレームワークを紹介しました。フレームワークはあくまで手段のため、すべてを網羅的に行う必要は必ずしもありません。また、使い慣れれば自社ビジネスにあわせてアレンジすることも可能です。本記事のフレームワークが、皆様のマーケティング活動に貢献できると幸いです。

著者情報
金子 光 (かねこ ひかる)
Hikaru Kaneko

大学時代にサンフランシスコに留学。卒業後楽天グループ株式会社に入社。モバイル事業部に配属され、40人規模のチームリーダーを経験。その後はWEBメディアのベンチャー企業に就職。マーケティング領域(特にSEO)で活躍中。