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インサイドセールスに求められるスキルとは?スキルマップの作り方までわかりやすく解説!

インサイドセールス

目次

テレアポや訪問営業など従来型の営業手法だけでは見込み客の獲得が難しくなっている今、新しい営業手法としてインサイドセールスが注目されています。しかし、インサイドセールスの効果を最大限に引き出すためには、適切なスキルとそれを評価する仕組みが不可欠です。

本記事では、インサイドセールスに求められるスキルから、営業担当者のスキルレベルを適切に評価するスキルマップの作成方法まで詳しく解説します。この記事を読むことで、インサイドセールスに求められるスキルを深く理解できるでしょう。本記事ではスキルマップの作り方の解説をしているだけでなく、そのまま使うこともできるスキルマップをExcel形式にてご用意していますので、こちらもあわせてご活用てください。

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インサイドセールスとは

インサイドセールス インサイドセールスとは

そもそも「インサイドセールス」とは、見込み客の獲得を目的に、電話やメール、ウェブ会議ツールなどのデジタルコミュニケーションを活用して行う内勤型の営業手法のことです。外回りによって顧客と直接商談するフィールドセールスと比べて、インサイドセールスは移動時間が掛からないため、営業コストの削減や業務生産性の向上が期待できます。インサイドセールスの役割は多岐にわたり、リード獲得から育成、商談、成約にいたるまで一気通貫で行うことが可能です。例えば、Webサイトやウェビナーで問い合わせや資料請求があった場合、獲得したリードに対して電話やメールなどでアプローチするのがインサイドセールスの役割となります。

インサイドセールスについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

スキルマップとは

スキルマップとは、「個人やチームのスキルや能力を可視化した表」のことです。スキルマップは特定の職種や役割に必要なスキルを明確にし、個々の現在の能力レベルを評価するために使用されます。営業チームがスキルマップを作成する主なメリットは、次のとおりです。

個々のスキルギャップの特定:スキルマップを使用すると、営業メンバーの現在のスキルレベルと、目標とするスキルレベルの差分を明確にできます。これにより、営業メンバー個々の成長に必要なトレーニングやサポートを計画的に提供することが可能です。
目標設定とキャリアパスの計画:スキルマップは、営業メンバーが自身のキャリアパスを計画し、達成すべき具体的なスキルや目標を設定するのに役立ちます。これにより、営業メンバーのモチベーション向上と中長期的なキャリア成長を促進します。
営業チームの能力強化:スキルマップを活用することで、営業チーム全体のレベルを把握し、必要なスキルの強化や新たなスキルの習得に注力できます。これにより、営業チーム全体の生産性と効率性が向上します。
人材の適切な配置:スキルマップを用いることで、各営業メンバーの強みと弱みを理解し、適切な役割に配置できます。これにより、チームのパフォーマンスを最大化し、プロジェクトの成功率を高めることが可能です。
トレーニングと開発の効果的な計画:スキルマップをもとに、営業トレーニングや育成計画を具体的に策定できます。これにより、組織全体のスキルレベルの向上が期待できるでしょう。

このように営業チームにおけるスキルマップは、営業メンバーの能力を最大限に引き出し、効果的な営業戦略を立てるための重要なツールです。インサイドセールスでも同様に、各営業メンバーがどのスキルを持ち、どの部分の能力開発が必要かを明確にすることで、より戦略的なトレーニングと一人ひとりにあったキャリア開発のサポートを提供できるようになるでしょう。結果として、顧客のニーズに対応する上で必要なスキルが磨かれ、チーム全体のパフォーマンス向上が期待できます。

インサイドセールスのKPI

インサイドセールスにおけるKPI(重要業績評価指標)の設定は、組織の目標達成に向けたマネジメントの第一歩です。適切なKPIを設定し管理することで、目指すゴールの達成が容易になります。また、インサイドセールスのKPIは、組織のKGI(重要目標指標)に基づいて設定されるべきであり、スキルマップと連動している必要があります。インサイドセールスで設定する代表的なKPIには、次のようなものがあります。

フォローアップ数:見込み顧客に対して接触した回数
着電数・着電率(コネクト数・コネクト率):フォローアップを行い、見込み顧客と電話がつながった数とその割合
有効会話数:見込み顧客との有効な会話が成立した数

これらのKPIは、インサイドセールスメンバーのスキルマップと密接に関連しています。例えば、フォローアップ数の増加はコミュニケーションスキルやフォローアップスキルの向上に直結し、着電率の向上は情報収集スキルやヒアリングスキルの改善を示唆します。KPIを正しく設定するためには、SMARTの法則(具体的、測定可能、達成可能、関連性、期限設定)の活用が有効です。また、設定したKPIは自部門だけで留めるのでなく、経営や他部署との合意形成を取ることも欠かせません。

インサイドセールスのKPI設定についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

インサイドセールスに求められるスキル

インサイドセールスの成果を上げるためには、特定のスキルセットが必要です。これらのスキルは、顧客との関係構築、効果的なコミュニケーション、情報収集、提案力など、多岐にわたります。ここでは、特に重要なスキルとその評価軸について解説しますので参考にしてください。

1.コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは、インサイドセールスにおいて最も基本的かつ重要なスキルの一つです。このスキルには、基本的なビジネスマナー、取引先担当者との円滑なコミュニケーション、信頼関係の構築、社内のマーケティングチームやフィールドセールスなど他部署との連携などが含まれます。評価軸として、コミュニケーションの頻度や返信時間、顧客や同僚からのフィードバックなどを考慮しましょう。これらは、コミュニケーションの質や適切さを定量・定性で評価するための基準となります。

2.情報収集スキル

情報収集スキルは、顧客のヒアリングを行う前に、インターネットや新聞、決算資料などから企業情報を速く、正確に収集する能力を指します。このスキルは、顧客のビジネス環境やニーズを理解するために不可欠です。評価軸としては、収集した情報の量や情報収集にかかる時間、情報の正確性や関連性、活用度などを考慮しましょう。情報収集スキルの評価は、情報収集の効率性と精度を測るための重要な指標となります。

3.ヒアリングスキル

ヒアリングスキルは、顧客に自社の商品を提案する前に、顧客が抱えている課題や現状を深く理解するための能力です。インターネットや資料だけでは得られない顧客の内情やニーズを探る力が求められます。評価軸としては、ヒアリングの回数、ヒアリングによって得られた情報の量、ヒアリングの質、顧客の反応、提案へのつながりやすさなどを考慮しましょう。これらは、ヒアリングを通じてどれだけ顧客のニーズや課題を正確に把握し、それに基づいた適切な提案ができるかを評価する指標となります。

4.商品説明・提案スキル

商品説明・提案スキルは、顧客に自社の商品の特徴や他社製品との違いを明確に伝え、導入企業の事例を用いて説明する能力を指します。このスキルでは、顧客のニーズや課題に合わせて商品を選定し、わかりやすく伝えることが重要です。また、商品を説明した上で、どのように顧客の課題を解決できるかを具体的に提案する能力も求められます。評価軸として、提案内容の適切さ、顧客の理解度、提案に対する顧客の反応などを考慮しましょう。

5.オブジェクションハンドリングスキル

オブジェクションハンドリングスキルは、顧客からの反論や異議(オブジェクション)を予測し、それに対して適切に対応する能力を指します。このスキルでは、反論されそうなポイントを事前に把握し、それに対する準備をしておくことが重要です。評価軸として、オブジェクションへの対応の迅速さ、適切さ、顧客の反応などを考慮しましょう。

6.フォローアップスキル

フォローアップスキルは、顧客とのコミュニケーションを継続し、関係を深めるための能力を指します。いつ(顧客と約束した期日など)、誰に(受注確度の精査も含む)、どのようにフォローアップするかが重要です。評価軸としては、フォローアップのタイミング、方法、効果などを考慮すると良いでしょう。また、フォローアップ後の顧客からのフィードバックや商談進展の度合いも重要な評価ポイントとなります。

7.オペレーション実行スキル

オペレーション実行スキルは、日々の営業活動を効率的かつ効果的に運営するための能力です。活動履歴や獲得した情報を、MA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援システム)などのツールに正確に記載し、マーケティングやフィールドセールスなどのチームメンバーと共有することが求められます。評価軸として、記録内容の正確性、共有のタイムリーさ、情報共有後の成果などを考慮すると良いでしょう。また、これらのオペレーションが全体の営業プロセスの効率化にどの程度貢献しているかも重要な評価ポイントです。

8.データ分析スキル

データ分析スキルは、MAやSFAに記録された過去の商談データ、各商談ステージに関する情報、メールの開封率などを分析し、次の提案に活かす能力を指します。このスキルでは、顧客の行動パターン、商談の成功要因、失敗の原因などを把握し、将来の営業戦略に反映させることが重要です。評価軸としては、データの分析能力、分析結果からの洞察の深さ、分析に基づく戦略の効果などを考慮すると良いでしょう。

9.改善スキル

改善スキルは、得られたデータから新たな仮説を立て、自身のオペレーションや顧客へのヒアリング、商品説明、提案方法などを改善する能力です。このスキルでは、データに基づいた客観的な分析を行い、実際の営業活動に反映させることが求められます。評価軸としては、改善の具体性、実施の迅速さ、改善による成果の状況などを考慮しましょう。

10.セルフマネジメントスキル

インサイドセールスでは、提案が刺さらない時や改善が上手くいかない時などに、自信を失ったりモチベーションが低下したりすることがあります。そうした場合にセルフマネジメントスキルは、自己管理によって状況を改善する能力です。主な評価軸としては、自己管理の効果、モチベーションの維持や回復の能力、困難な状況における対応力などが挙げられます。しかしながら、モチベーションの源泉は人によって異なるため、各メンバーの価値観や思考を考慮したうえで、個々にセルフマネジメントスキルとして認定しても良いでしょう。

スキルマップの作り方

営業のスキルマップを作ることで、営業メンバーの効率的な配置や育成、業務の効率化、モチベーション向上などが期待できます。ここでは、インサイドセールスにおけるスキルマップの具体的な作り方を3つのステップに分けて解説しますので、参考にしてください。

スキル スキルマップ インサイドセールス

1.スキルの項目を決める

まずは、スキルマップに記載するスキルの項目を決めましょう。インサイドセールスに関連するスキルとしては、先述した10個のスキルがベースになります。これらのスキルは、さらに細分化して具体化することができます。例えば、コミュニケーションスキルは、電話対応、メール対応、プレゼンテーション能力などに分けることもできます。

2.評価基準を設定する

次に、各スキルの評価基準を設定します。評価基準は、一般的には4〜5段階程度で設定され、例えば「S、A、B、C」や「1、2、3、4、5」などの形式を取ります。この際、1と5のどちらが高い評価なのかもあらかじめ明示しておくことで、認識相違を防ぐことができます。

3.各項目のゴールを設定する

最後に、各スキル項目に対する具体的なゴールを設定します。例えば、「S」評価を得るためにはどのような条件を満たす必要があるか、といった具体的な目標を設定します。これにより、各評価レベル(例えば「A」は概ねできている、「B」は一部できている、「C」はできていないなど)の判断基準を明確にしておくと相対評価ではなく、絶対評価が可能になります。ただし、評価者によって偏りやばらつきが発生することがあるため、評価基準や定義を明確にすることで、公平かつ客観的な評価が可能になります。

おわりに

スキルマップは、インサイドセールスチームの能力を可視化し、個々のメンバーのスキルギャップを特定するための有効なツールです。スキルの項目決定、評価基準の設定、各項目のゴール設定というステップを踏むことで、チームの能力強化と個々のキャリア開発の促進が期待できます。一方、市場のニーズやビジネス環境は常に変化しており、それに伴いインサイドセールスに求められるスキルも変化します。したがって、スキルマップは定期的に見直し、必要に応じてアップデートすることが重要です。スキルマップを単なる評価ツールとして利用するのではなく、チームと個人の成長を促進するための継続的なプロセスとして捉えることが、その真価を発揮する鍵となるでしょう。ゼンフォースではそのまま使えるインサイドセールスのスキルマップをご用意しておりますので、以下より無料でダウンロードいただき、ご活用ください。


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著者情報
高橋 洋介(たかはし ようすけ)
Yosuke Takahashi
2010年リクルート入社。アルバイト・中途採用領域の求人広告営業に従事し。在職中にMVP5度受賞などの実績を上げ、業界・業種・企業規模問わず多くのクライアントからの信頼を獲得。その後人材系広告代理店を経て、2020年よりフリーランスとして活動を開始。現在では法人向けに採用支援、営業支援、SaaS導入支援など幅広く対応。