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営業のロールプレイングとは?目的、やり方、成果に結びつけるコツについて徹底解説!

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目次

営業力を磨くためには、実践的なトレーニングと適切なフィードバックが欠かせません。そのための最適な手法が「営業ロールプレイング」です。営業部門に配属されたばかりの新人から、経験豊富なベテラン営業まで、営業ロールプレイングは誰もが営業力を効果的に養える手法です。

本記事では、営業ロールプレイングに取り組むメリット、営業ロールプレイングの進め方、さらに成功させるコツまで徹底解説します。特にBtoBサービスを展開している企業や、SaaS製品を取り扱う企業の営業担当者の方に向けた内容になっています。本記事の後半では営業ロールプレイングのチェックシート例も公開していますので、ぜひ最後までお読みいただき、営業力の向上にお役立てください。「今すぐにでも営業ロープレを構築したい!」という方や「ロープレチェックシートをこれから作ろうと思っていた」という方は、記事に加え、下記資料もぜひご活用ください。

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営業ロールプレイングとは

営業ロールプレイングは、一言でいえば「商談の模擬演習・リハーサル」のことです。一般的には、新入社員や営業部門に新たに配属された営業担当者に対して、商談の流れの把握や自社サービスの提案手順の浸透、営業スタイルや手法の習得などを目的に実施されるトレーニング手法です。また、経験豊富な営業担当者であっても、新しいサービスをリリースした際に商品説明が上手くできるか確認したり、営業力を高めるために定期的に実施したりすることがあります。参加者は実際の営業シーンを再現し、顧客側と営業担当者側で役割を演じることで、実践的な練習を行います。

営業ロールプレイングを行うメリット

営業担当者であれば、過去に営業ロールプレイングを経験した方も多いのではないでしょうか。実は営業ロールプレイングのメリットは多岐に渡ります。「とりあえずやった方が良さそうだから」ではなく、具体的なメリットを理解することで、その効果が十分に得られます。ここでは、営業ロールプレイングを行うメリットを5つ紹介します。

営業ロープレ メリット 営業ロールプレイング

メリット1:実際の顧客に会う前の練習ができる

営業ロールプレイングは特に新人や経験の浅い営業担当者にとって効果的です。商談の本番前などに行えば、商談の流れや提案のイメージを掴めます。特に最初のうちは過度に緊張してしまい、上手く言葉が出てこなかったりするため、緊張感を和らげることにもつながります。また、営業ロールプレイングを繰り返すことで自信が付くため、実際の顧客との商談に臨む際の心に余裕を持てるようになるでしょう。

メリット2:営業の再現性を高められる

営業ロールプレイングは、営業の再現性を高める効果があります。一般的な営業シチュエーションを再現し、参加者がそれに対して適切な対応を練習することで、実際の営業活動においても同様のアプローチを取ることが可能です。継続的に営業ロールプレイングに取り組むことで、顧客からの質問に対して的確に切り返しができるようになり、顧客満足度の向上や成約率を高めることにもつながります。

メリット3:営業担当者に自信がつく

営業ロールプレイングは、営業担当者に自信をつける効果があります。自身の営業スキルやコミュニケーション力を確かめられますし、フィードバックで良かった点を褒めることで成功体験を得られます。また、練習を重ねることで「これだけ準備したから大丈夫!」という自信がつくため、商談時に堂々と振る舞えるようになります。商談に余裕が感じられる営業担当者は、顧客からの信頼や印象を向上させ、成約率向上も期待できるでしょう。

メリット4:製品・サービスの理解が深まる

営業ロールプレイングは、製品やサービスの理解を深める効果も期待できます。実際の営業シーンでは顧客から質問をされることも多々ありますが、営業ロールプレイングであらかじめ質疑応答の練習を行うことで、回答に窮することを防ぎます。もし、営業ロールプレイングの時点で上手く回答出来なかった場合は、後から調べることで製品に関する知識や理解が深まるでしょう。

メリット5:事前準備の精度を高められる

営業ロールプレイングでは、実際の商談時に使用する資料の準備も含めて、本番さながらに臨むことが大切です。参加者はあらかじめ題材や必要な情報を受け取り、営業ロールプレイング当日に向けて顧客情報を調査したり、商談のシナリオを作成したりします。このプロセスによって事前準備の精度が向上し、商談の円滑な進行や的確なコミュニケーションを実現できるようになります。

営業ロールプレイングのやり方【7ステップ】

営業ロールプレイングの効果を高めるには、闇雲に実施するのではなく、ゴールやシナリオなどの設計が大切です。ここでは、営業ロールプレイングを実施するための7つのステップに分けて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

営業ロールプレイング 営業ロープレ ステップ やり方

ステップ1:目的、ゴールを設定する

営業ロールプレイングを実施する際は、あらかじめ明確な目的やゴールを設定しましょう。例えば、受注がゴールなのか、BANT情報のヒアリングまでがゴールなのかによって、その後のシナリオ作成も変わってきます。また、営業担当者のスキルや課題感によっても変わるため、目指すべき状態を定めることが重要です。これにより、参加者は設定された目的達成に向けて効果的な練習を行えます。

ステップ2:登場人物の役割を設定する

次に、参加者に対して役割を割り当てます。営業担当者は、顧客の情報をどこまで把握しているか設定なのかを理解しておくことで、緊張感を持って営業ロールプレイングに臨めるようになります。
また、顧客側は決裁者なのか担当者なのかなど、役割を変えることで、営業担当者はよりリアルな商談イメージを掴めるようになります。

ステップ3:シナリオを設定する

続いて、目的・ゴールに沿ったシナリオを設定します。シナリオを設定する際は、具体的な商談の流れや課題に基づいて作成していきます。重要なポイントを押さえつつ、後述するシナリオ例を参考にして設定しましょう。

ステップ4:事前準備・リサーチを行う

営業ロールプレイングを実施する際は、本番さながらに事前準備やリサーチを行いましょう。例えば、業界トレンドサイトや四季報などを活用して業界の現状を把握するほか、商談相手企業の基本情報や組織図、扱っているサービス、売上推移などを徹底的に調べます。十分な情報収集や事前準備を行うことで、より実際の商談に近い状況を再現できます。

ステップ5:提案内容を整理する

ステップ4で収集した情報や事前に把握している情報をもとに、想定される課題感や提案内容を整理します。商談相手に対してどのような価値を提供するのか、どのような課題解決のアプローチを取るのかを考えます。顧客の課題を想定し、その解決につながる具体的な提案内容を用意することで、実際の営業シーンに活かせるようになります。

ステップ6:ロープレを実施する

事前準備が完了したら、設定したシナリオや役割に基づいて、営業ロールプレイングを実施します。営業担当者役、顧客役はそれぞれ自身の役割を演じ、シナリオに沿って商談を進めます。ヒアリングや提案、さらに質疑応答も行いながら、実践的な営業活動をシミュレートしましょう。

ステップ7:フィードバックする

営業ロールプレイング終了後には、フィードバックの時間を設けましょう。参加者や上司からのフィードバックを通じて、営業手法やコミュニケーションの改善点を共有しましょう。良かった点や反省点を振り返ることで、今後の営業活動に活かすことが可能です。

営業ロールプレイングを成功させるコツ

営業ロールプレイングの効果を高め、営業担当者の早期育成を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。ここでは、営業ロールプレイングを成功させるコツを3つ紹介しますので、ぜひ活用してみてください。

コツ1:動画を撮影しておく

営業ロールプレイングを実施する際は、動画を撮影しておくことをおすすめします。動画で自分自身を客観視することで、改善点や課題を発見しやすくなります。また参加者からフィードバックを受ける際も、動画を再生しながら進めることで、どの部分をどのように改善すべきか、具体的なアドバイスをもらいやすくなります。

コツ2:役割を入れ替えて、どちらの立場もやってみる

営業ロールプレイングを実施する際は、参加者同士で役割を入れ替えることをおすすめします。営業担当者役と顧客役といったように、両方の立場を体験することで、営業活動における相手の視点やニーズをより深く理解できるようになります。顧客視点に立つことで、「もっと深くヒアリングしてほしい」「提案がずれているな」など、営業に対する違和感を感じるようになります。それによって、どのような情報を聞き出す必要があるか、どんな情報を事前に把握しておくべきかなどが理解できるため、事前準備の精度向上につながります。

コツ3:3人1組で行い、1人は必ずオブザーバーを入れる

営業ロープレ 営業ロールプレイング やり方 

営業ロールプレイングを行う際には1対1ではなく、3人1組のグループを作り、営業役と顧客役に加えてオブザーバーを配置することがおすすめです。オブザーバーは参加者の営業パフォーマンスを客観的に観察し、終了後にフィードバックを行います。オブザーバーは、営業ロールプレイングの質を向上させ、改善点を見つけるための客観的な視点を提供するなど、重要な役割を担います。

営業ロールプレイングのシナリオ例

営業ロールプレイングを実施する際は、事前にシナリオを設計することが大切です。ここでは、いくつかのシナリオ例を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

新規リードへのコール(インサイドセールス)

シナリオテーマ:新規リードへコールをして課題をヒアリングする
営業ロールプレイングのポイント:営業役(インサイドセールス)として、新規リードに対してコール(架電)を行います。顧客の関心を引きつつ、製品やサービスの利点や特徴を説明し、質問や疑問に対応します。商談の目標は、リードを次の段階(SQL)に進めることです。コールの際には、顧客のニーズや課題にフォーカスし、自社ならではの提案を行うことが大切です。

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休眠リードへのコール(インサイドセールス)

シナリオテーマ:休眠顧客へコールをして課題をヒアリングする
営業ロールプレイングのポイント:営業役として、休眠状態の顧客に対してコールを行います。顧客も関心やニーズを再確認しながら、過去のやり取りや提案内容を振り返ります。休眠状態からの再活性化を目指し、自社製品やサービスの新たな利点やアップデート情報を提供します。カスタマイズされたアプローチや特典の提案を行うことで、顧客の興味を再度引きつけることが重要です。

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現場担当者クラスとの商談(フィールドセールス)

シナリオテーマ:現場担当者クラスとの商談をして、ニーズに合った提案を行う
営業ロールプレイングのポイント:営業担当役(フィールドセールス)として、現場担当者クラスとの商談を行います。顧客の業務や課題に対して理解を深めながら、製品やサービスが提供できる価値を示します。具体的なケーススタディや成功事例を交えながら、顧客の信頼を獲得し、ニーズに合った提案を行います。現場担当者との信頼関係構築や長期的なパートナーシップ形成を意識しながら商談を進めることが重要です。

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決裁者クラスとの商談(フィールドセールス)

シナリオテーマ:決裁者クラスとの商談を通じて、具体的な数値を示しながら信頼を獲得する
営業ロールプレイングのポイント:営業担当役(フィールドセールス)として、決裁者クラスとの商談を行います。決裁者のビジネス上の課題や目標を理解し、製品やサービスがもたらす具体的なビジネス価値を示します。ROI(投資対効果)やコスト削減効果などの数値を強調しながら、長期的なビジネスパートナーシップを築くための提案を行います。信頼性の高い資料やビジネスケースを準備し、決裁者の要求に応えることが重要です。

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おわりに

営業ロールプレイングは、効果的な営業活動を行うために重要なトレーニング手法です。実際の商談に近い状況で、練習を重ねることで自身の営業スキルを短期間で磨くことができます。営業ロールプレイングの成果をより高めるためには、綿密なシナリオ設計とそれに向けた事前の準備やリサーチを本番さながらに行うことが大切です。さらに、営業担当者と顧客の役割を入れ替えたり、オブザーバーを参加させたりすることで、トレーニング効果を最大限に高めることが可能です。自信を持って商談に臨むことで、顧客との信頼構築や成約率の向上につながります。営業担当者ごとのスキルのばらつきや、組織全体の成約率に課題をお持ちでしたら、営業ロールプレイングを積極的に導入し、営業担当者の育成に取り組んでいただくことをおすすめします。

著者情報
高橋 洋介(たかはし ようすけ)
Yosuke Takahashi
2010年リクルート入社。アルバイト・中途採用領域の求人広告営業に従事し。在職中にMVP5度受賞などの実績を上げ、業界・業種・企業規模問わず多くのクライアントからの信頼を獲得。その後人材系広告代理店を経て、2020年よりフリーランスとして活動を開始。現在では法人向けに採用支援、営業支援、SaaS導入支援など幅広く対応。