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リード獲得広告とは?配信できる媒体や特徴、メリットを解説

マーケティング

目次

BtoBビジネスでは、新規顧客獲得を目的にリード獲得が重要視されています。リード獲得の手法は自社のWebサイトを改善しリード獲得を伸ばす手法や広告を活用して獲得する手法など様々あります。その広告の中でも、リード獲得広告は効率よくリードを獲得するための機能が広告配信するプラットフォーム上で搭載されており、リード獲得数の最大化に繋げられる点がメリットです。リード獲得広告はSNSのFacebookやInstagram、またGoogleやYahooなど利用する配信プラットフォームは多数あります。リード獲得広告実施を検討中の企業様にとっては「配信媒体が複数ありどれを選ぶべきか分からない」といった課題を持つ方もいるかもしれません。

今回の記事では、BtoBビジネスでのリード獲得広告の概要や配信媒体別の特徴、運用のポイントを解説します。

リード獲得広告とは?

リード獲得広告とは自社の商品やサービスに関心があり、いずれサービスを利用、購入する可能性があるユーザーのメールアドレスや電話番号などの連絡先情報を取得するために行う広告です。昨今、BtoB市場では多くの企業がリード獲得広告を活用しています。アイティメディア株式会社がBtoBマーケター198名を対象に行った「リード獲得・管理・育成(ナーチャリング)の実態に焦点を当てたアンケート調査」によると、リード獲得手段でSNS広告を活用している企業は31%、リスティング広告を活用している企業は53%という結果です。新規顧客獲得のための実施手段として広告が活用されている事がよくわかります。

新規顧客 獲得手法 獲得手段 新規

出典:ITMedia

リード獲得広告の特徴

リード獲得広告は、リードを効率よく獲得できる工夫や機能が導入されています。ここでは、リード獲得広告の特徴を順に解説します。

ランディングページ無しで運用が開始できる

LP ランディングページ FB フェイスブック

出典:Hubspot

リード獲得広告は、ランディングページ(LP)の作成が不要で、すぐに運用できるのがメリットです。一般的なWeb広告の場合、広告をクリックするとユーザーが個人情報を入力するためのフォームが掲載されたランディングページに遷移します。一方で、リード獲得広告は上記図のようにクリックすると広告媒体側が用意したフォームが自動で立ち上がる仕様となっています。そのため、ランディングページを別途作成する手間やコストがかからないといったメリットがあります。制作時間をかけずに広告をすぐに配信開始できるため、スピード感のあるリード獲得の施策として有効です。

フォーム入力を自動で埋めてくれる

リード獲得広告の配信媒体によっては、入力フォームの情報を自動で入力してくれる機能が付属されている広告もあります。たとえばFacebookのリード獲得広告は、ユーザーが広告の「資料請求」などのボタンをタップすると、ユーザーのFacebookの登録情報が入力されたフォームが自動で表示されます。

弊社にて独自で作成

ユーザーにとっては、サイトやアプリへの移動など、面倒な入力の手間がかかることなく資料請求ができるためコンバージョンにつながりやすいという側面があります。このようにフォーム入力を自動で埋める機能のついたリード獲得広告は、高確率でリードの獲得ができる広告手法と言えるでしょう。

自社CRMツールと連携ができる

CRMツールと連携ができるリード獲得広告もあります。たとえば、Facebook広告はHubspotSalesforceIQMarketoなどのCRMツールと連携が可能です。

CRM連携 広告 CRM

出典:Hubspot

CRMツールとリード獲得広告を連携させるメリットは、入力フォームの情報を自動入力できるようになるほか、リアルタイムでのリードの管理ができる点にあります。連携されていない場合、入力されたフォームの情報をCRMに別途登録する作業が発生し、登録作業自体を忘れせっかく獲得できたリードの情報を失うリスクも発生しかねません。CRMツールを導入している場合、広告と連携させることができればリード獲得や管理を効率良く勧められるでしょう。

リード獲得広告の配信ができる配信媒体

リード獲得広告が配信できる代表的な配信媒体は、以下の通りです。

・Facebook
 
・Instagram
 
・Google
 
・LinkedIn
 

・TikTok

各配信媒体ごとにリード獲得広告の特徴を解説します。

Facebook・Instagram

FacebookとInstagramはいずれもMetaが配信する媒体です。広告配信を行う場合は、Metaの配信媒体共通の管理画面「広告マネージャ」を活用し、Facebook・Instagramの広告配信ができます。Facebook・Instagramのリード獲得広告では入力フォーム(インスタントフォーム)作成時、以下の定型の質問を追加できる機能があります。

リード広告 入力フォーム 例

出典:Meta「インスタントフォームで利用できる定型の質問」

追加された定型の質問欄には、Facebook・Instagramのプロフィールから取得された情報が自動入力されます。自動入力された情報は、生年月日以外であればユーザー側で編集することが可能です。Facebook・Instagram広告は、以下のように複数の種類があり、異なる場所で配信されます。

リード広告 種類 メリット

出典:Meta「Meta広告マネージャの目的のアップデート」「Instagramでブランドを構築しましょう。」

Google

Google広告では、リード獲得を目的とした「リードフォーム表示オプション(リードフォームアセット)」が利用できます。リードフォーム表示オプションは、サイトを遷移せず直接情報を送信できるフォームを広告の下に表示させる機能です。

Google リードフォーム

出典:株式会社イーナ

リードフォームは以下の項目を設定できます。

リード獲得 リードフォーム 例

サイト遷移がないため、ユーザーはフォームへシームレスな入力ができます。また、Googleアカウントにログインしている状態であれば項目が自動入力できるため、ユーザーの入力負担が減りコンバージョンにつながりやすいのもメリットです。Google広告のキャンペーン(配信する広告の種類)ごとのリードフォームが表示される場所は以下の通りです。

リード広告 リードフォーム 場所

出典:Google「リードフォーム アセットについて」

LinkedIn

LinkedIn リード広告

LinkedInは、ビジネス特化型のSNSプラットフォームです。LinkedInが提供するLinkedIn広告では、企業情報や職務経歴にもとづいたターゲティングを行うことができます。そのため、BtoB向けの広告運用で利用されることが多い傾向です。LinkedIn広告には、「LinkedInリード獲得フォーム」の機能があります。リード獲得フォーム機能を搭載したLinkedIn広告のコールトゥアクションボタンがユーザーにクリックされると、フォームに以下の情報が自動的に入力され、その場で送信ができます。

リード広告 リードフォーム収集

出典:LinkedIn「リード収集フォームのフィールドについて」

リード収集フォームを搭載したLinkedIn広告は以下の場所に表示されます。

リード収集フォーム LinkedIn広告 表示場所

TikTok

TikTokの運用型広告プラットフォーム「TikTok for Business」では、「TikTokリード広告」を提供しています。Tik Tokリード広告では、ユーザーが登録している情報が自動入力されるインスタントフォームを使用することで、効果的にリード(見込み顧客)を獲得できるのが特徴です。

TikTok リード獲得 リード広告

出典:TikTok「効果的に見込み顧客を獲得する「TikTokリード広告」の提供を開始」

TikTokは若年層のユーザーが多いというイメージを持つ方も多いかもしれませんが、日本国内の利用者の層の平均年齢は34歳です。TikTok広告を通じて、新規顧客の獲得や商材の認知を目的に若年層以外のリードにもアプローチできる可能性があります。TikTokリード広告のインスタントフォームで入力できる質問は以下の通りです。

・​電話番号
・​メールアドレス
・​住所
・​国
・​都道府県
・​都市名
・​氏名
・名
・性
・​性別

インスタントフォームを搭載したTikTokの広告は、以下の場所に表示されます。

インスタントフォーム TikTok広告

出典:TikTok「Lead Generation Objective」

リード獲得広告で抑えておきたい運用ポイント

リード獲得広告は、ただ広告を配信させるだけでは効率的にリードを獲得できる可能性が低くなります。リードを獲得したターゲットに合わせた広告フォーマットやキャンペーンを選び、配信した後には、PDCAを回す運用を行うことで、リードを効率的に獲得することが可能になります。ここでは、リード獲得広告を通じてより多くのリード獲得を行うために、覚えておきたい運用のポイントを解説します。

なるべく資料ダウンロード・セミナー参加から始める

BtoBマーケティングで成果を上げるためには、顧客の検討段階に応じたアプローチが必要です。顧客の検討段階とアプローチの方法にズレがあると、顧客は購入や成約につながる行動へのハードルの高さを感じるためです。リード獲得広告でのコンバージョンポイントは、顧客の初期の検討段階である「認知・理解」に合わせて「資料ダウンロード・セミナー参加」からはじめましょう。コンバージョンを、いきなり「問い合わせ・商談」にしてしまうのではなく、以下のイメージのように顧客の検討段階に合わせて段階的に案内していくことで、コンバージョンを達成できます。

リード獲得広告 コンバージョンポイント

出典:株式会社才流

リードの質を求めるならフォーム改善と情報量を増やす

まずリード獲得広告の目的は「新規リードを多く獲得する(リードの量)」「見込みの高いリードを獲得する(リードの質)」どちらを重視するかを決めましょう。リードの量と質両方を獲得しようとすると、施策にブレが生じ効率的なリードの獲得ができないためです。リード獲得広告でリードの質を重視する場合は、以下の施策を検討することがおすすめです。

・リード獲得フォームで取得できる情報を追加する
 

・広告フォーマットで掲載する情報を増やす

リード獲得フォームで取得できる情報を追加すると、入力項目の多さなどからフォーム入力後送信するリードの全体数は減ります。ただし、リードから取得できる情報が増えるため、ターゲットとする見込み度合いの高い顧客の絞り込みを行うことができます。広告フォーマットに載せる情報を増やすと、情報量の多さから広告をクリックするリードの全体数は減る可能性が高まります。しかし、情報が多ければ自社がターゲットとするリードかどうかの判断要素が多くなるので、より獲得するリードの質を正確に判断できるようになります。情報の多い広告フォーマットは、多くの情報を読ませることからユーザーの問い合わせにつなげるハードルは既に上がっています。それでも広告フォーマットを通じて問い合わせしてくるユーザーは、検討確度が高い可能性があります。よって、情報の多い広告フォーマットを掲載することで、質の高いリード獲得が期待できるでしょう。

おわりに

リード獲得広告の特徴や配信媒体別の特徴、運用のポイントを解説しました。リード獲得広告は商品やサービスなどを検討している段階にあるリードの獲得に対し有効な施策です。入力フォームが自動化されているなど、リードがコンバージョンに至るまでの手間やわずらわしさを排除することで、コンバージョンにつながりやすく、効率の良いリード獲得につなげられます。リード獲得広告を配信したいが企画や広告運用を行うリソースが足りない、と悩まれている企業様の場合、外部の専門企業による支援サービスを利用することも有効です。ゼンフォースでは、FacebookやInstagramでのリード獲得広告支援をはじめ幅広いマーケティングや営業DXのための支援サービスを展開しています。ぜひご検討ください。

著者情報
柳本 瑠衣 (やなぎもと るい)
Rui Yanagimoto
米国の州立大学卒業後、米国にて就労経験を経て帰国。国内のIT企業へ入社後、新規開拓営業と経営企画を経験。パーソルホールディングス株式会社(旧インテリジェンス)にてデジタルマーケティング領域を経験した後に、MAツール開発会社へ入社、インサイドセールス部門責任者として従事。2人目の出産を機に働き方を見直し2022年にフリーランスに転身。現在は営業DX領域のコンサルティングとマーケティング業務支援等を行う。