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今さら聞けない!リード獲得とは BtoB企業が考えるべき手法や媒体を具体的事例を用いて解説

マーケティング

目次

近年、BtoB領域においても顧客の購買プロセスは大幅にデジタルシフト化しています。購入前段階の情報収集や比較検討をネット上で完結し、購入自体もデジタル上で行うといった行動変化を受け、より検討の初期段階で顧客との接点を持つための「リード獲得」が重要視されています。

既にリード獲得施策を実行している担当者の中には、
「必要な数のリードが予算内で獲得できていない」
「獲得したリードが受注や成約につながらない」
といった悩みを抱える方もいることでしょう。

この記事では、リード獲得の概要や目的、具体的なリード獲得の手法や事例を解説しています。BtoBマーケティングにおける施策の見直しや改善にぜひ役立ててください。

リード獲得とは?

リード獲得とは、将来的に顧客になりえる「見込み顧客」を見つけ出すことです。リード=見込み顧客とは、自社に興味を持ち、今後顧客や利用者になり得る可能性の高い企業・個人を指します。営業リストとリードの大きな違いは、アプローチする顧客のどういった個人情報を得ているか、またその情報量にあります。具体的には氏名、電話番号、社名、役職、メールアドレスなどの名刺と同じ個人情報を得ている場合にはリードと言います。
リードの由来は先頭・手がかり・きっかけなどの意味を持つ英語の”lead”です。リードの獲得を行うことを、Lead(見込み顧客)Generation(生み出す)と英語で言い表すことから、「リードジェネレーション」とも呼ばれています。リードジェネレーションの説明は次の章で解説します。

リード獲得の目的

リード獲得の目的は、受注件数を増やして売上を上げることです。リード獲得は、デマンドジェネレーション(営業部門へ渡すための見込み案件の創出・発掘活動)の最初のステップに当たります。営業部門に案件が渡されるまでの図が以下です。「デマンドウォーターフォール」と呼ばれるデマンドジェネレーションの流れをファネル(漏斗)状で表したモデル図をご覧ください。リード獲得 目的

Demand Waterfallを出典元として当社にて作成

デマンドジェネレーションの各工程ごとの営業活動内容についてここで少し解説します。図で表すピラミッドの最下部、リードの獲得(リードジェネレーション)からはじまります。獲得後、すべてのリードに対し満遍なく営業活動を行うものではありません。中でもより見込みが高いであろうリードを絞り、営業活動を行う方が当然効率的ですので、その対象か否かを定めます。見込みの高いリードを絞るために行う活動のことを、リードの育成(リードナーチャリング)と呼びます。リードナーチャリングとは電話やメールなどでリードへアプローチを行い、商材やサービスを購買する行動を起こしてもらえるよう顧客を育成することです。

リードの育成の次は、見込みが最も高い「ホットリード」を選別する活動、リード選別(リードクオリフィケーション)です。リードナーチャリングでアプローチした顧客の中で、購入の見込みが高いと判断した顧客を選別するステップにあたります。ターゲットとする見込みの高いリードが選定され、それらは営業担当へと引き渡され、商談へと移行します。すでに育成・選別された見込みの高いリードだけを営業担当へ受け渡すことで、効率的な営業活動が実現するほか、成約の可能性も高くなるメリットがあります。

このデマンドジェネレーションでの営業活動を成功させるためには、一定量のリード獲得(リードジェネレーション)が必要不可欠です。なぜなら、十分なリードの獲得がなければ、前述したステップでのリード選別毎にリードが減り、次のステップへ続かず、営業が商談するリードが足りない状態に陥るからです。そのため、母体となるリード獲得はある程度の量を保つようしっかり行うようにしましょう。

BtoB企業がリード獲得を行うべき理由

BtoB向けマーケティング企業がリード獲得施策に取り組むべき理由の一つに、営業活動のスタイルの変化が挙げられます。従来の営業アプローチ方法は、営業担当者が見込み顧客に電話でアポイントを取り、対面でのヒアリングや情報提供を行い、成約を獲得してきました。これらの方法は、営業担当者が顧客にサービスや商材を強く売り込むアクションを取るため、一般的に「アウトバンドセールス」や「プッシュ型」と呼ばれています。

一方で、近年では企業が情報や提案を売り込むプッシュ型から、オウンドメディアやSNSなどで情報発信を行い、顧客へ問い合わせなどの行動をさせる「インバウンドセールス」や「プル型」の営業アプローチ方法が主流です。また、従来のプッシュ型のアプローチで顧客に不要な情報を押し付けるのとは異なり、プル型は顧客へ必要な情報を自ら見つけさせる自然なマーケティング手法であることから、後者の方が有効的と評価する声もあります。CEBの「The Digital evolution in B2B Marketing」の調査では「法人の購買プロセスのうち57%までが営業担当者に会うまでに終わっている」という結果も出ました。プル型営業が行うリードの育成、すなわち顧客が行動変容を起こすよう、顧客が情報収集を行っているタイミングで顧客にとって有益な情報を提供し続けることが大事であることが、この結果から伺えるのではないでしょうか。また、その前段階で見込み度合いの高い顧客を選別するためには繰り返しになりますが、リード獲得が当然になります。

BtoB企業がリード獲得でおさえるべきポイント

すでにリード獲得施策の取り組みを行っていても、受注率や成約率につながるリード獲得ができない、といった悩みを抱える担当者も多いでしょう。ここでは、BtoB企業がリード獲得施策を行う際におさえるべきポイントを解説します。    

ターゲットを明確にする

リード獲得施策実施の目的が単に大量のリードを獲得すること、になっていないでしょうか。手あたり次第で多くのリードを獲得することはあまり効率的ではありません。リードの獲得時に重視すべきポイントは、量ではなく質です。質が高いリードとは、受注率の高い見込みのあるリード(ホットリード)のことを指しますが、これらのリードを多く獲得することで、営業プロセスの効率化と成約率を高めることにつながります。
ホットリードを多く獲得するためには、当然、施策を投じる必要がありますが、どのような施策を行うべきか明確ではない企業も多いことでしょう。見込みの高いリードを獲得するために何を行うべきか、施策の軸を明確にする方法として有効なのが、ペルソナとカスタマージャーニーの設定です。

ペルソナ設定とは、年齢や職業、年収、などの個人の詳細情報を決め、ターゲットを個人の人物として設定する方法です。ペルソナ設定を行うことで、ターゲットとなるリードが具体化され、必要な施策や戦略立案を行いやすくなります。設定したペルソナの心理から、行うべき行動を図式化しカスタマージャーニーマップを作成しましょう。カスタマージャーニーとは、顧客が商材やサービスを知ってからどのようにして購入や契約に至り、その間にどのような思考と行動が起こるのか、の一連の流れを表すものです。表や図解を使い、カスタマージャーニーを可視化したものがカスタマージャーニーマップにあたります。以下は、カスタマージャーニーを描く際に活用する項目例です。
リード獲得

出典:リード獲得・受注に繋がる「カスタマージャーニーマップ」大解剖

カスタマージャーニーマップを描くことで、顧客の行動心理を予測でき、リード獲得への施策の課題や、ペルソナへ伝えるべき情報が明らかになります。その結果、施策の方向性や具体的な戦略の把握につながるでしょう。

課題潜在層を狙う

リード獲得量を増やすためにも、課題が既に顕在化し、ニーズが浮き彫りになっている顧客だけでなく、課題が明確になっていない潜在層の顧客獲得も狙いましょう。当然ながら、顕在層は自社課題に合う商材やサービスを探している段階のリードですから、高い商談率や成約率が期待できます。そのため、リードの中で優先順位をつけるとすれば、潜在層より顕在層へのアプローチが優先でしょう。ただしその分、リード数は限られてしまいます。課題顕在層のみへのアプローチを優先しているといつの間にかリードが無くなってしまったという事態も起きかねません。リードが少なすぎて商談数自体が少なくなったとならぬよう、潜在顧客もターゲットにし、アプローチするリードの母数を増やしましょう。

潜在顧客の中には、商材やサービス内容を認識していない、情報収集に留まるといった無関心層もいますので、できるだけそのような状態でのリードを排除し課題潜在層リードの獲得が必要です。例えば、顧客のニーズを満たす情報を提供する方法を取ってみましょう。潜在顧客が気づいていないが、根底に潜んでいるであろう悩みや課題に気づかせるコンテンツなどを作り、コンテンツ内にはその課題に対し自社商材が解決策につながると感じさせられるものにしましょう。そうすることで自然と商品に興味を持ち、理解度の高い状態の潜在リード獲得が期待できます。潜在顧客を獲得後、仮に成約にまで至れば、自社商材が潜在顧客にとって初めての商品やサービスということになり、将来的にロイヤリティーの高いリードとなる可能性もあります。潜在顧客の獲得は、ターゲットの母数を増やすだけでなく、信頼関係を築きやすい顧客を育成できるメリットもあると考えられます。

リード獲得だけに力を注ぎすぎない

リード獲得施策ばかりに時間をかけ、次のステップに対するリソースが足りない、なんてことが起きないように注意が必要です。BtoBマーケティングにおける成約率や売上を上げるためには、リードを獲得することだけでなく、獲得後の育成、選別への施策も重要です。リード獲得ばかりに注力してしまうと、その後のリード育成や選別のステップがおざなりになり、質の低いリードが多く営業部門に渡る懸念も考えられます。その結果、営業が商談を行っても受注や成約につながらないという負のループに陥る可能性もあります。

一般的にはリードの獲得よりも、その後のリード育成や選別の方が難易度が高いです。リード育成はリードと信頼関係を築くためのコミュニケーション力が必要であり、またメルマガやDMによる適切な情報提供、アプローチなども行いますので、スキルと時間を要するものです。リードの育成や選別の工程に対しても余力を残し、適切な工数をかけられるようにするために、自社でリードを獲得するだけでなく他の手法も取り入れることも考えましょう。たとえば展示会出展によるリード獲得、情報を他社から購入する、リファラル商談やセミナーの共同開催などがあります。次の章で、リード獲得を効率化するためのアプローチ方法や手法を解説します。

リード獲得の基本アプローチと手法例

リード獲得を目的としたアプローチ方法は、主に「購入」「共有」「自社獲得」の3つに分かれます。どのアプローチ方法を選択するか、選択基準となるのが「予算」です。リード獲得のための予算が十分に確保されている場合は、多額のコストが発生する外部展示会や広告媒体へ出稿する手法を用いたり、短期集中型で大量のリードを購入するといった手法もあります。逆に、予算が限定されている場合は、自社サイト内にオウンドメディアを構築するなど、費用をかけずにリードを自社の内部施策で獲得する手法などが考えられます。「予算」のほかにも、ターゲット顧客層や、自社の状況に応じた手法を検討し、最も効率的な方法から着手する方法もあります。本章では、3つのアプローチを軸に、各具体的な手法について詳しく解説します。

リード獲得 リード

リードを購入する

リードを購入するということは、ターゲットとするリードが集まる外部のプラットフォームやサービスメディア、展示会への出展に対して費用を支払い、リードを獲得する方法です。費用は嵩むものの、リードを多く獲得できるため、手間がかからないメリットがあります。以下では、展示会出展・プラットフォームの利用・サービスサイトへ出稿しリードを獲得するという代表的な3つの手法について解説します。

展示会への出展・協賛

製品の販売や情報交換のために開催されるBtoB商材の展示会へ、出展または協賛することで参加者のリードを獲得できます。名刺交換やアンケート入力などを介して会場ではリードを獲得する機会が多く、出展期間中に多くのリードを短期間で獲得できるメリットがあります。展示会はオフライン・オンライン両方の手法が選べます。オンラインの場合は名刺交換の代わりに、取得した参加者のデータをリードとして獲得できます。

自社のターゲットと合致する展示会やイベントを選び出展・協賛することで、商談につながりやすい質の高いリード獲得を効果的に得ることができるでしょう。ただし、展示会やイベントには同業他社も多く出展している可能性が高いです。展示品がわかりやすいようにサイン(看板)を設置する、通路側に映像を設置するなど、ブースに足を運んでもらいやすいように、興味を引くブース作りを行いましょう。

企業データベースの利用

企業データベースの利用料金を支払い、リード獲得に活用する手法もあります。企業データベースとは、概要や業務内容・業績・主な取引先といった企業に関わる様々な情報を掲載したデータベースのことで、活用することにより、ターゲットとする企業リストを簡単に作成できるのがメリットです。企業データベースには、「SPEEDA」、「ラクリス」、「FORCAS」などがあります。それぞれのサービスにより費用や機能が異なるため、自社の商材や戦略に合うものを選びましょう。

サービス比較サイトへの出稿

商材やサービスをBtoB向け比較サイトに出稿する方法です。自社の商材に関するサービス資料を比較サイトへ掲載し、比較サイトを通じて資料請求をしてきた企業のリードを獲得することができます。自らサービス比較サイトを通じて資料請求や問い合わせをするリード、すなわち、すでに課題やニーズが明確な顕在層に該当する、質の高いリードを獲得できるのがメリットです。課金方法は、1リード毎に課金される成果報酬型のサービスが一般的ですが、サービスにより固定費での支払い形式もあります。課金方式・1リードあたりの費用・媒体の特徴など異なるため、ターゲットや自社商材、予算に合うサイトを選ぶことが重要です。

リードを共有する

リードを共有する先は、自社に近いターゲット顧客を持つ企業です。自社に近いターゲット顧客を持つ企業と、相互に既存顧客を紹介しあったり、協同してイベントや調査を実施することで、リード情報を共有できます。以下では、他者とリードを共有するための手法を順に解説します。

リファラル商談

リファラルとは、英語で「紹介、照会、委託」などの意味を指し、リファラル商談とは、第三者から顧客を紹介してもらい、進める商談のことを表します。他社の商材やサービスとセットで導入検討が進むことが多い商材を持つ企業が、セットの対象となる商材を提供する企業へ顧客を紹介する方法です。検討されやすいBtoB向けのサービスや商材は例えば以下のようなものが挙げられます。

・SFAとMA、CRMとMA
・MAとMAツールの活用コンサルティングサービス
・タレントマネジメントシステムとラーニングマネジメントシステム

リファラル商談は、自社の商材とは競合にならない他社から顧客の紹介を受けられます。紹介された企業と自社が競争関係に発展しないため、リードを紹介されることで人脈が広がる、導入のハードルが低いなどがメリットです。

ただし、双方にメリットがなければ、企業間の信頼損失などにつながる可能性もあります。たとえばパートナー側の商材知識が少なく、商談時に十分な説明を行わず、結果的に紹介された側のみの成約につながったという場合、紹介した側にメリットがないなどトラブルに発展することもあります。互いの商材知識を得て、互いに同数程度の顧客を紹介する、都度紹介料を支払うなど、互いにメリットが得られる取り決めをしましょう。

セミナーやイベントの共同開催

ターゲットとする顧客層が重なっている企業同士で、セミナーやイベントを共同開催する方法もあります。共同開催をすることで自社と他社両方のリードをセミナーやイベントへ誘導できるため、短期間で大量のリードを獲得できるでしょう。この方法で有効なリードを獲得するためには、共催企業双方のターゲットに共通するテーマを取り上げることが重要です。
たとえばスタートアップ支援を得意とするコンサルティング企業と中小企業向けのSaaSベンダー企業が共催イベントを行うのであれば、「起業・独立」をテーマにおくことで、双方のリードが潜在的に持つ「起業・独立の成功方法を知りたい」「起業後の業務を効率化したい」というニーズを喚起することができます。

共同調査の実施

大学、調査機関、メディアなどの共同調査を実施し、リード獲得につながるデータレポート(報告書)等のコンテンツを自社サイトへ掲載、ダウンロードを促すことでリード獲得を行う方法です。調査の内容は様々ですが、この場合もターゲット顧客が関心を持っているテーマを取り上げることが重要です。以下が共同調査の例として挙げられます。

・人材紹介会社が新聞等と共同で就職活動に関する調査を行う
・ITベンダーがテクノロジートレンドについてシンクタンクとレポートを作成する
・通信会社とマーケティング会社が購買行動に関する実態調査を行う

ただし、共同調査を進める上で注意すべきポイントもあります。たとえば収集した情報を再利用し他メディアなどで公表する場合は注意が必要です。公開範囲を事前確認せずに独断で行い、「許可していない範囲の情報が公表されている」とクレームになる可能性も考えられます。収集した情報は、事前確認の上、対象者が同意した範囲内にとどめるように注意しましょう。

リードを自社で獲得する

「リード獲得予算が限られている」「ターゲットへ効果的にアプローチできるメディアがない」「サービスや市場が未成熟でターゲットペルソナが固まり切っていない」といったように予算や市場、事業規模面で不十分な要素があると、予算をかけてリード獲得施策を行うのが非効率、と考える企業もいるかもしれません。その場合、自社で行うリード獲得の施策が有効です。予算をおさえつつ、広くアプローチを行うことでリード獲得につなげます。以下では自社でリード獲得する方法を解説します。

コンテンツマーケティング

企業が自社で保有するメディア「オウンドメディア」をはじめ、商品やサービスの価値をコンテンツを通して知ってもらうための一連のマーケティング手法がコンテンツマーケティングです。コンテンツマーケティングでは、ブログと導入事例を組み合わせる、SEO対策をほどこすなどの検索流入を増やす施策、Ebook、ホワイトペーパー、Webセミナー等の申込フォームなど、リードを獲得できるコンテンツを設置する施策を行います。潜在顧客を求めている情報へと誘導し、有益な情報をコンテンツを通じて提供し続けることでリード獲得へ繋ぐことが可能です。
潜在顧客にとって価値あるコンテンツを制作し、提供し続けることにより、企業と顧客の間の信頼関係が醸成されます。リード獲得のほか、ブランディングや既存顧客のロイヤリティ向上などのメリットも得られるでしょう。

Web広告

Web広告は出稿のコストがかかりますが、初めてのリード獲得の施策として向いています。なぜなら、費用や出稿期間を設定できる、キーワード設定やターゲッティングができる、短期間で効果が発揮できる、といったメリットがあるためです。リード獲得によく利用されるWeb広告を種類別に以下にまとめました。

web広告 リード獲得

Web広告はアプローチ対象の条件(性別・年代・業界・職種など)を設定出来るものが多いため、自社のターゲットにあったリードが獲得しやすいという特徴があります。さらに、業界専門のWebメディアなど、自社の商材やサービスに適した媒体を選べば、より質の高いリード獲得が可能になります。

OOH

OOHとはOut of Home(アウトオブホーム)の略称で、家庭以外の場所で接触する広告メディアの総称です。交通広告や屋外に表示されるデジタルサイネージなどが代表例で、その他にも以下のような種類があります。

・電車の中吊り広告
・駅や商業施設のデジタルサイネージ
・タクシー広告
・車体ラッピング広告
・屋外看板
・大型ビジョン
・アドバルーン広告

OOHは特定の地域や場所に絞り、エリアを限定して出稿できる点が特徴です。これまでOOHは主に、BtoC向けの広告チャネルとして活用されてきましたが、近年ではBtoBのマーケティング領域でも活用の広がりが見えてきています。

マスメディア広告

マスメディア広告とは、新聞・雑誌・テレビ・ラジオの4媒体に掲載される広告のことを指します。短期間で幅広いターゲット層へのアプローチができることがメリットです。一方、大衆広告を媒体とするため、リード獲得のために活用する広告の中で、最も高いコストが発生するデメリットがあります。

マスメディア広告からリード獲得の成果を得るためには、マスメディア広告からWebサイトへ流入した層を効率よくリードへ転化するための施策が必要です。例えば、コンテンツマーケティング施策で流入層の興味関心を引くコンテンツを用意しておくことや、Web限定でのキャンペーンを打ち出し申し込みをすることでリード獲得を促進させるなど、オンラインとオフラインでの施策を併用して実行することも視野に入れると良いでしょう。

リード獲得の実践事例4選

他社のリード獲得の成功事例を参考に、行うべき施策のヒントを得ましょう。リード獲得を目的に行われたBtoB企業の施策実践事例を4つ紹介します。

ターゲット関心に応えるコンテンツでリード獲得に成功したコーナーストーン

リード獲得 コーナーストーン

出典:Llama Lead Gen, Inc.

世界最大級のHR SaaSソリューションベンダー「CSOD(コーナーストーンオンデマンド)」が、マーケティングエージェンシー「Llama」と共同で行ったキャンペーンの事例です。CSODは主要なチャネルで見込み顧客を増やすために、限られた期間内でブランド認知キャンペーンを展開したいという目論見がありました。そこで「SMBの人事担当」をターゲットに設定し、彼らの関心の高いキーワードを調査した結果、採用プロセス、パフォーマンスマネージメント、従業員エンゲージメントといったキーワードが明らかになりました。これらをテーマとしたWebセミナーやEbookを集中的に作成し、LinkedInやGoogle Search、ディスプレイ広告出稿などでターゲット層へアプローチしました。その結果、2,800件以上の有効リード獲得に成功しました。また、そこから189件の成約を得ており、売上向上にもつながっています。

SNS広告手法の見直しでリード獲得単価を削減したNTT東日本

ntt東日本 リード獲得

出典:Meta

NTT東日本は、クラウド型カメラサービス「ギガらくカメラ」のトライアルのリード獲得のために、従来のコンバージョン広告より優れたキャンペーンパフォーマンスを実現できる広告手法を検討していました。そこで導入したのがFacebookのリード獲得広告です。Facebookのリード獲得広告導入により、従来のコンバージョン広告のみのキャンペーンに対して、リード獲得広告のみを活用したキャンペーンの広告クリック率は2.2倍に増加。また、リード獲得単価の88%削減に成功しました。

展示会獲得リードをインサイドセールスと自社セミナーでナーチャリングしたKDDI

大手通信事業者のKDDIは、ITメディア主催のウェビナー「Security Week 2022春」に協賛し多くのセミナーリストを入手しましたが、獲得したリードの約9割が自社講演以外のセッションを視聴した「他社講演リスト」であり、自社講演視聴者のリードが少ないという課題を抱えていました。
アイティメディア リード獲得

出典:ITmedia

課題解決策として、ITメディアのマーケティング施策サービスで提供されている「ABMデータ」(行動履歴から特定テーマに関する企業の興味度合いを可視化したもの)を活用。ABMデータの「関心分野」に自社商材が登場するターゲットを抽出し、インサイドセールスがアプローチを行うことで、自社セミナーの参加者数と営業へのトスアップ数増加につなげることができました。

リファラルでのリード獲得に注力したLINEスキマニ

リード獲得

出典:Saleshub|note

株式会社LINEが運営する、ギグワーカー(スキマ時間を活用して働ける仕事を探す求職者)を企業に紹介する「LINEスキマ二」では、リード獲得後に架電を行うも担当者につながりにくい、商談後にニーズのミスマッチが発覚する、といった課題を抱えていました。品質の高いリードを獲得するため、顧客紹介サービス「Saleshub」を導入しました。Saleshubを通じて、飲食店や小売店など単発雇用のニーズの高い業種の企業へ、自社で獲得したリードであるギグワーカーを紹介するリファラル商談への移行が可能になりました。結果、紹介からアポイントまでのスムーズな成約へとつながっています。

おわりに

BtoBにおけるリード獲得の概要やポイント、具体的な手法とともに企業のリード獲得成功事例を紹介しました。リード獲得は顧客との最初の接点ですが、その後の育成、選別、商談化を経てはじめて成約につながります。獲得することだけに注力しすぎず、最終的な売り上げ目標達成を意識して、量と質のバランスを考えて獲得することが重要です。獲得するターゲットを明確にする、潜在的な関心や課題を把握する、もっとも効率的かつ有効な獲得手法を選択する、という3つのポイントを意識しながら施策を推進し、質の高いリードの獲得につなげてください。

著者情報
柳本 瑠衣 (やなぎもと るい)
Rui Yanagimoto
米国の州立大学卒業後、米国にて就労経験を経て帰国。国内のIT企業へ入社後、新規開拓営業と経営企画を経験。パーソルホールディングス株式会社(旧インテリジェンス)にてデジタルマーケティング領域を経験した後に、MAツール開発会社へ入社、インサイドセールス部門責任者として従事。2人目の出産を機に働き方を見直し2022年にフリーランスに転身。現在は営業DX領域のコンサルティングとマーケティング業務支援等を行う。