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【BtoBマーケティング】コンテンツマーケティングとSEOの違いとは?成功事例も紹介

マーケティング

目次

近年はBtoBの分野でもデジタルマーケティングの手法が注目されており、コンテンツマーケティングやSEOに取り組んで、リード数を増やし、商談を獲得しようとしている企業が増えてきました。

ところで、コンテンツマーケティングとSEOの違いをご存知でしょうか?この違いを混同したまま闇雲に取り組んでいては、成果を上げることは難しいでしょう。例えば、SEOに力をいれて流入数は増えたとしても、購入や問い合わせなどのコンバージョンが少なくて、マーケティング活動が頓挫してしまうケースは少なくありません。コンテンツマーケティングとSEOの役割や目的の違いを認識し、適切な取り組みを行うことで、これらの効果を最大限活かすことができます。この記事では両者の違いに加えて、BtoB企業の成功事例も紹介いたします。

コンテンツマーケティングとSEOの違い

コンテンツマーケティングとSEOの違いについて、4つの観点から見ていきます。

コンテンツマーケティング SEO  違い

目的

SEOとは Search Engine Optimization の略で、自然検索(オーガニック検索)でのウェブサイトやテキストコンテンツの検索順位を上げ、サイトへの訪問者数を増やすための取り組みです。SEOは、特定のキーワードやフレーズを含んだテキストコンテンツを作成し、サイトの構造を適切に設計することで、検索エンジンによってウェブページが正確に評価されるようにします。また、検索エンジンは検索ユーザーの検索意図を満たすページを評価する傾向にあります。検索意図を満たすような、ユーザーにとって有益な情報を掲載することで、より多くのユーザーに自社のウェブページを見てもらえる機会が生まれます。このような取り組みによって、ユーザーが特定の検索キーワードで検索した際に、自社のウェブサイトが上位に表示されるようにすることを目指します。コンテンツマーケティングは、ユーザーに興味を持ってもらい、自社商品やサービスの購買につなげることを目指す取り組みです。コンテンツマーケティングでは、価値のある情報やその企業独自の情報を提供することに重点を置き、ユーザーの関心を引くようなコンテンツを作成します。これにより、ユーザーが自発的にコンテンツをシェアしたり、自社ウェブサイトを頻繁に訪れたりすることで、ブランド認知や購買意欲を高める効果が期待できます。

対象

SEOの対象は、主に潜在層です。テキストコンテンツを作成し、検索エンジンの上位に表示させることで、潜在層に自社を知ってもらうきっかけにすることができます。潜在層は、特定の話題に興味はあるものの、自社製品やサービスに関心を寄せているわけではありません。興味を持って検索エンジンにキーワードを入力したときに、その検索結果に自社サイトが表示されれば、自社を知ってもらうことができるのです。このように潜在層のサイト流入数を増やし、後々の見込み顧客を集めるのです。コンテンツマーケティングの対象は、潜在層から顕在層まで広範な範囲を持ちます。はじめて自社サイトを訪問したユーザーにも、既に自社を認知しているユーザーにも、魅力的なコンテンツを提供して自社への関心を引きつけることを目指します。ユーザーが社内や関係者にコンテンツをシェアしたり、ブランドへの関心や購買意欲を高めたりすることが期待されます。

コンテンツ

SEOは、テキストコンテンツを最適化することに焦点を当てたマーケティング手法です。特定のキーワードやフレーズを含んだコンテンツを作成し、検索エンジンの評価を向上させることで、ウェブサイトの検索順位を上げます。コンテンツマーケティングはテキストコンテンツだけでなく、メルマガ、ホワイトペーパー、動画など様々な形式のコンテンツを活用します。コンテンツマーケティングでは、魅力的で価値のある情報を提供し、ユーザーの関心を引きつけることに重点を置きます。

成果までの期間

SEOとコンテンツマーケティングは、成果が出るまでの期間に違いがあります。一般的に、SEOの効果が現れるまでには半年から1年程度の時間がかかります。検索上位に表示されるためには検索エンジンの評価や競合状況によって時間がかかるためです。一方コンテンツマーケティングは、比較的短期間で成果が期待できます。特に、検討フェーズにある顧客向けのコンテンツなどは、作成してから成果が現れるまでの時間がSEOに比べて短い傾向があります。これは、魅力的なコンテンツを提供することで、顧客の関心を引きつけ、ブランドへの関心や購買意欲を高める効果があるためです。SEOは時間がかかりますが、長期的な検索エンジンからのアクセスを確保する手法です。一方、コンテンツマーケティングは短期間で成果を出すことができ、特に顧客の検討フェーズに効果を発揮します。両者は異なる時間軸で成果を得る手法であり、オンラインマーケティング戦略において総合的に活用することが重要です。

コンテンツマーケティングの全体像

コンテンツマーケティング 全体像 概要

コンテンツマーケティングの全体像を把握するためには、SEOとの関係性を理解しましょう。SEOはコンテンツマーケティングの一部であり、主に最初の接点や認知の役割を担います。検索エンジンを通じてユーザーにアクセスしてもらうための施策なのです。しかし、問い合わせなどでリード獲得を目指す場合は、SEOを通じた認知施策だけでは十分ではありません。ここで重要なのは、ユーザーの関心を引き付けるコンテンツを作成することです。リードの獲得には、ユーザーが興味を持ち、詳細な情報を得ることができるホワイトペーパーや導入事例などのコンテンツが有効です。コンテンツマーケティングは、SEOを通じてユーザーにアクセスをもたらした後に、魅力的で有益なコンテンツを提供することで問い合わせやリード獲得につなげる戦略です。SEOは認知を広げるための手段であり、その後のコンテンツがリード獲得や購買意欲の喚起につながるのです。SEOとコンテンツマーケティングはそれぞれ異なるアプローチを持ちながらも、共通の目的であるリード数の増加やその後の売上の向上を目指しています。両者をバランスよく活用し、マーケティング戦略の中で効果的に組み合わせることが成功への鍵となります。適切な計画と継続的な改善を行いながら、自社のマーケティング活動を進化させていきましょう。

なぜコンテンツマーケティングは重要か

インターネットの普及とデジタル化により、顧客の購買行動は急速にオンライン化しています。営業担当者による商品説明が主だった従来の購買プロセスは、顧客自身によるインターネットを活用した情報収集に置き換わりました。米国のCorporate Executive Boardが発表したThe Digital Evolution In B2B Marketing という調査資料では「BtoBでは顧客の購買プロセスの57%が、営業担当者に会う前にすでに終わっている」という事実が明らかにされています。

出典:Gaetner

インターネットの普及が進んだ時代においては、顧客に発見され信頼されることがとても重要です。そのためには、SEOでユーザーを集め、コンテンツマーケティングで関心を引き付けなければなりません。様々なコンテンツを通じてコンバージョンを獲得し、その後のアプローチを通じて売上につなげていきます。特にホワイトペーパーや導入事例などのコンテンツは、コンバージョンを獲得する上でも有効です。従来の営業組織では、対面での「営業力」の強化が重要視されていましたが、現代では問い合わせをしてもらうまでのプロセスも重要となっています。オンライン上で集客を図るためには、最初の接点を作るためのSEOと、問い合わせを引き起こすためのコンテンツマーケティングの両方に力を注ぐことが効果的です。顧客を効率的に獲得するために、この両方の要素に取り組むことが重要となります。

【BtoB】コンテンツマーケティングの成功事例

最後に、コンテンツマーケティングで成功したBtoB企業の事例をご紹介いたします。

株式会社ブイキューブ/コンテンツ改善でリード数10倍・受注率3倍

株式会社ブイキューブは、企業のテレワークを推進するソフトウェアを販売する会社です。テレワークに特化したオウンドメディアを展開し、SEOやコンテンツマーケティングに取り組んだ結果、リード獲得数が10倍に、受注数が3倍に増加しました。本格的に改善に取り組む前の月間リード獲得数が400~500件という状態から、目標を月間1,500リードと定め、サイトリニューアルやコンテンツの改善を行いました。サイトのリニューアルでは、複数あった株式会社ブイキューブの関連サイトの中で、「テレワークナビ」という、テレワークに特化したサイトを作り上げました。またテキストコンテンツの改善にも取り組み、35のキーワードで検索順位1位を獲得、上位10位以内に入っているキーワードも106ワードという成果を出しました。こうしたSEOの取り組みを開始して半年ほどで、セッション数が前年比で7倍に増加し、サイトの流入数を急増させることに成功しました。


出典:テレワークナビ

また、テキストコンテンツだけでなく、ホワイトペーパーやセミナーなどのコンテンツも拡充し、300を超えるコンバージョンポイントを計測していくことで、リード獲得数を10倍に増やしました。このように、SEOとコンテンツマーケティングの役割を認識し、両方を適切に取り組むことで、それぞれの効果を最大化することができるのです。

ビジネスエンジニアリング株式会社/ダウンロード資料でオンラインリード獲得数80%増

ビジネスエンジニアリング株式会社は製造業向けのソリューションを提供しています。マーケティング活動の効率化と成果向上を目指してMAツールを導入し、オンライン上でダウンロード資料を配布したところ、リード獲得数が80%増加しました。MAツール導入以前は展示会などオフライン中心のマーケティング活動を行っていましたが、製品が広く普及するに伴い、マーケティング活動で効果を出し続けることが難しくなっていました。そこで、デジタルマーケティングの必要性を認識し、MAツールを導入してオンライン上でマーケティング活動を行いました。WEBサイトから新規のリードを獲得する傍ら、オフラインで獲得したリードに対してもメールマーケティングを展開しました。コンテンツを作るリソースが足りないという課題を抱えていましたが、新たにコンテンツを作成するのではなく、営業が紙に出力して使用していた資料をダウンロード資料として活用することにしました。資料をメールで配信したところ、開封率やコンバージョン数が大幅に増加しました。

見込み顧客に配布するコンテンツはダウンロード資料だけでなく、徐々に動画コンテンツやアンケートコンテンツなども作成し、コンテンツを拡充させました。結果として、オンラインでのリード獲得数が従来の80%増加しました。この事例から分かることは、ダウンロード型のコンテンツが重要であることです。新規のコンテンツの作成が難しい場合でも、現存する資料をダウンロードコンテンツに流用するなどして、見込み顧客にオンライン上でアプローチしていくことが、コンテンツマーケティングを成功させる手段の1つと言えるでしょう。

出典:ビジネスエンジニアリング株式会社

おわりに

SEOとコンテンツマーケティングは、リード数の増加を目指す上で重要な手法です。SEOは検索順位を上げることで流入数を増やし、コンテンツマーケティングはユーザーの興味を引きつけて購買につなげることを目指します。成果までの期間は異なり、一般的にSEOの効果が現れるまでには半年から1年かかる一方、コンテンツマーケティングは比較的短期間で成果を得ることができます。リード数を増やすためには、単にSEOに頼るだけでなく、事例記事の作成などのコンテンツマーケティングにも取り組むことが重要です。問い合わせや購買意欲を高めるコンテンツを提供することで、ユーザーの関心を引きつけ、リードの獲得やその後の売上につなげることができます。BtoBマーケティングにはSEOやコンテンツマーケティングだけでなく、他にもさまざまな手法があります。BtoBマーケティングにおいては、ターゲットの特性やニーズを把握し、適切なコンテンツやチャネルを活用して効果的なマーケティングを展開することが重要です。

さらに上記に関してくわしくお知りになりたい方は、BtoBマーケティングの関連記事はこちら、リード獲得に関する記事はこちらをご覧ください。

著者情報
荻野 嶺(おぎの れい)
Rei Ogino
米国NY、LAで幼少時代を過ごす。 2015年、伊藤忠商事入社。金属資源部門にて経営企画や事業開発に携わり、赴任先のシンガポールで石炭の三国トレーダーとして、各国の市場を新規開拓。2020年に帰国し、スタートアップ向け人材紹介のfor Startupsに従事。入社半年で最速昇格基準達成、MVT 受賞などの実績を上げ、各有力スタートアップのCEOやVCからの信頼を獲得。 2020年12月にゼンフォース株式会社を創業し、代表取締役CEOに就任。