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CRMを導入するメリットは?導入のポイントと活用方法をご紹介

マーケティング セールス マネジメント

目次

業種にかかわらず、多くの企業が採用をしているCRM。今まであまり触れてこなかった方の中には、CRMがどのようなメリットをもたらすか、疑問に思う方もいるかもしれません。CRMを導入すれば、顧客の情報を一元管理し、その情報をもとに顧客満足度の向上や、業務の効率化、売り上げの向上などを期待することができます。

CRMの効果を最大限に発揮させるためには、そのメリットと活用方法を理解することが重要です。本記事ではCRM導入のメリットと活用のポイントを紹介いたします。

CRMとは?

CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客との関係を管理・最適化することを目的とした戦略・概念です。CRMはITツールの一種だと勘違いされることもありますが、CRMはあくまで概念であり、ツールやシステムではありません。最近では、ツールやシステムも含めて総称してCRMと呼ばれることもありますが、本記事では概念について「CRM」と表記し、ツールやシステムについては「CRMシステム」と呼びます。CRMと似た概念に、MA(Marketing Automation)やSFA(Sales Force Automation)があります。これらは顧客管理やビジネスプロセスの最適化に関連するツールですが、それぞれ異なる役割を担っています。

出典:【B2B】コロナ禍で進むセールス活動のDXとは?マーケティング・セールスにおける「MA」「SFA」「CRM」とコールセンターを考えてみる

この図からわかる通り、MAはマーケティングの領域において、そのプロセスを自動化するツールです。SFAは商談から受注までの営業プロセスを支援するツールです。CRMはマーケティングから営業、カスタマーサポートまで、あらゆる部門の情報を統合的に管理します。これにより、既存顧客のみならず、見込み顧客の情報まで一元的に管理され、そのデータは日々の活動に活かされます。CRMの導入により、営業活動の効率化や、顧客満足度の向上を期待することができます。

CRMを導入するメリット

CRMを導入することで得られる効果について、5つの観点から見ていきます。

顧客情報の一元管理

CRMの導入による最大のメリットは、顧客情報の一元管理です。顧客との関係性を強化し、効率的に売上げを向上させるためには、顧客情報を統合的に管理することが必要不可欠です。CRMを活用することで、顧客の属性情報、過去の購入や利用状況などの行動情報、問い合わせ情報など、様々な情報を一元管理できます。この利点は大きく、顧客に関する情報がバラバラになることを防ぎます。たとえば、営業担当者は問い合わせ履歴をすぐに参照し、適切な対応をすることができます。また、カスタマーサクセスは顧客の過去の購買履歴を把握し、それに基づいて個別に提案することができます。異なる部門間であっても情報の共有や連携が容易となり、顧客への統一したアプローチが可能となるのです。入力された情報は社内でリアルタイムに共有されるため、常に最新の顧客情報を持つことになります。これをもとに意思決定を行うため、スピーディーな対応につながります。

既存顧客へのアプローチ

CRMシステムに蓄積された顧客データをもとに、既存顧客へ効果的にアプローチすることができます。顧客とのやり取りや受注内容など、顧客情報を入力することで、CRMシステムに顧客データが蓄積されます。このデータから、顧客の好みや購買履歴などを把握することで、個別のニーズに合わせたアプローチが可能となります。さらに、CRMを活用することで、適切なタイミングでアプローチすることができます。顧客データを分析し、特定のトリガー(例:購買履歴、特定の行動)に応じて顧客との接点を持つことができ、顧客へのアプローチが迅速かつ最適化され、顧客満足度が向上します。既存顧客へのアプローチは、新規顧客獲得に比べてコストが低く、収益を増加させやすいという特徴があります。新規顧客獲得に対するコストは既存顧客維持の5倍かかるという「1:5の法則」や、顧客離れを5%防止すれば収益が25%改善される「5:25の法則」という言葉が存在するほどです。CRMの導入で既存顧客との関係を強化し、効果的にアプローチを行いましょう。

顧客満足度の向上

CRMの導入には、顧客満足度の向上という大きなメリットがあります。これは、顧客情報をもとにサービスを提供することができるためです。CRMを活用することで、顧客の情報が蓄積されます。顧客の好みや購買履歴、問い合わせ履歴などが一元管理され、この情報をもとに、顧客に合わせたサービスを提供することが可能となります。たとえば、特定の商品やサービスに興味を持つ顧客に対して、関連情報がタイムリーに提供されます。顧客満足度を向上させれば、長期的に顧客と良い関係を保つことができます。満足度の高い顧客はリピートの購入や、紹介等で新たな顧客を獲得する可能性が高まります。

業務の標準化・効率化

CRMシステムを用いて顧客対応業務を「型化」し、業務の標準化と効率化をもたらします。あらゆる顧客対応業務を、CRMを介して行うことで、顧客対応のプロセスを標準化することができます。顧客情報の入力や更新、問い合わせ対応、営業活動の記録などが一貫した形式で行われるため、業務が「型化」され、誤りや漏れが減少します。さらに、CRMシステムはタスクの自動化やスケジュールの管理を容易にします。特定の顧客に定期的にメッセージを自動送信したり、リマインダー機能を活用したりして、業務を効率化することができます。これにより、重要なタスクに専念し、業務の効率化が図れます。組織全体の生産性向上のためには、業務の標準化と効率化が欠かせません。顧客対応が迅速かつ一貫性のあるものとなるため、顧客満足度の向上にもつながります。

施策の効果測定とPDCAサイクルの改善促進

蓄積されたデータを分析し、PDCAサイクルを素早く回しながら改善を図ることができることも、CRM導入のメリットのひとつです。CRMシステムには、過去のアプローチやコミュニケーション履歴などの情報が蓄積されています。このため、過去の施策やキャンペーンの効果を客観的に分析し、次の施策に反映させることができます。過去に行ったキャンペーンがどのセグメントに有効であったか、などのデータから施策を考えることで、効果的な施策を検討するようになります。また、PDCAサイクルの改善促進にも役立ちます。CRMを活用することで、施策の実施後にCRMシステム内にデータが残るため、評価や改善策の立案が容易となります。PDCAを効果的に素早く回すことで、早く成果に結びつくでしょう。

CRM

CRM導入する際のポイントと活用方法

CRMのメリットを解説してきましたが、導入さえすれば全てが上手くいく、という訳ではありません。CRMを効果的に活用するためには、導入する際のポイントと活用方法を抑えなければなりません。

導入目的を明確にする

CRMを導入する際、成功の鍵となるポイントは導入目的を明確にすることです。目的を明確にすることで、導入直後から効果を出すことができるでしょう。ここでは、導入目的の例を2つ紹介いたします。

例1:見込み客の優先順位付けを行って営業効率を高める
見込み客に焦点を当て、優先順位を付けて営業活動を最適化するためにはCRMが有効です。CRMを活用して、見込み客の情報や購買履歴、興味関心を詳細に分析し、ポテンシャルの高い顧客に注力できます。営業は時間とリソースを削減しながら、成約率を向上させていくでしょう。

例2:営業エリア拡大にあたって顧客情報を一元管理・共有する
ビジネスの成長や新しい市場への進出に伴い、営業エリアが拡大する際には、CRMが不可欠です。CRMを導入することで、顧客情報が一元管理され、異なる拠点や営業チーム間で情報の共有がスムーズに行えます。これにより、組織全体で一貫したアプローチが実現し、市場拡大に向けた戦略的な意思決定が可能となります。

CRM導入の際には、これらの具体的な目的を明確にし、それに基づいてシステムのカスタマイズやデータの整備を行うことが重要です。目的に合った設定と活用方法を確立することで、CRMの効果を最大限活かしましょう。

KPIを設定し運用スケジュールを確定させる

計画性がない状態で「とりあえず」とCRMを導入してしまうと、効果的な活用や運用の定着を図ることが難しくなります。CRMの導入を成功させるためには、KPIの設定と運用スケジュールの確定が重要です。まず、CRM導入のスケジュールを明確に設定しましょう。導入開始から定着までのタイムラインを設け、各段階での具体的な作業や担当者をアサインします。また、明確なKPIを設定することも重要です。成約率や顧客単価など重要な指標を選定し、CRMの効果を定量的に評価します。CRM導入前と比較して数字が改善されているか、チェックをしましょう。

自社に適したCRMを選定する

CRMを導入する際に重要なポイントの一つは、自社に最適なCRMを選定することです。選定する際は、導入目的と照らし合わせながら、料金や機能、サポート体制などを比較し、慎重に検討することが不可欠です。先ほど挙げた導入目的の例をもとに、CRMに求める機能を考えてみます。

例1:見込み客の優先順位付けを行って営業効率を高める
この場合、見込み客の優先順位が可視化されるか、それに似た機能があることが重要です。CRMシステム内にその機能がなくても、MAで優先順位を付けている場合は、MAとどの程度連携可能か確認が必要となります。

例2:営業エリア拡大にあたって顧客情報を一元管理・共有する
この場合は顧客情報の一元管理が目的ですから、全メンバーが情報を入力することや、適切に管理できることが重要です。入力のしやすさ、管理のしやすさなどを中心に確認しましょう。これらの導入目的を軸に、予算や機能、サポート体制などの観点から複数のCRMを比較すると良いでしょう。ツールによっては、無料トライアル期間が設けられているものもあります。実際に使用して、自社のニーズに適合するかどうかを確認してみましょう。

運用を開始させ社内定着を図る

CRMは、導入だけでなく、関わる全員が活用してこそ価値があります。運用を開始させ、社内での定着を図るために以下のステップで社内定着を図りましょう。

①初期設定、オンボーディング
CRMの初期設定やオンボーディングプロセスを丁寧に行います。システムの基本的な設定やカスタマイズを完了し、全ての利用者がスムーズに利用できる状態にします。

②運用マニュアル、ルールの整備
運用を円滑に進めるために、運用マニュアルやルールを整備します。利用者がCRMの基本的な操作を理解するのに役立ちます。わからなくなった時に立ち返られるよう、わかりやすく作成することが重要です。

③利用者へのラーニング
CRMの利用者に対してトレーニングやラーニングプログラムを提供します。システムの操作方法や運用のポイントを伝え、利用者のスキル向上を支援します。

④項目の作成やフローなど、SFA全体の設計
CRMはSFAの一部として機能することが多いため、SFA全体の設計と統合を検討します。必要な項目やワークフローを設計し、運用に取り込むことで、業務プロセスの効率化を図ります。利用者が適切に操作し、データを活用することで、CRMは売上げの向上に貢献します。導入後は社内で定着するよう、促進することが重要です。

導入後に振り返りを行う

CRMの導入後、組織内での運用を継続的に向上させるためには、導入後の振り返りが不可欠です。CRMの利用メンバーの運用状況を定期的にチェックしましょう。メンバーからのフィードバックを集め、システムの使いやすさや運用の課題を特定します。改善点を反映させ、利用者満足度を向上させましょう。また、CRM導入前に設定したKPIを四半期ごとに確認すると、運用方法の改善を早期に行うことができます。振り返りを行い必要に応じてKPIを見直し、目標達成に合わせた運用を継続的に調整します。さらに、社内ヘルプデスクの設置も重要です。CRMの運用において、利用者が問題や疑問を解決できるような体制を整える必要があります。困った時に社内ヘルプデスクで対応する体制があれば利用の停滞を防ぐことができます。

CRM効果の振り返り方法については、こちらの記事をご確認ください。

おわりに

CRMを導入し、最大限活用することができれば、顧客情報の一元管理や、それに伴う業務効率化、顧客満足度の向上、売上の増加など多くのメリットをもたらします。導入の目的を明確にし、自社にとって最適なCRMを選んで運用していくことが重要です。繰り返しになりますが、CRMを導入しただけでは何の意味もありません。情報を入力し続け、蓄積されたデータを分析し、その後の施策に活かすことで、効率的な営業活動が実現します。CRMの導入後は定期的に振り返りを行い、運用方法の改善を行いながら、CRMのメリットを享受できる体制を整えましょう。

著者情報
荻野 嶺(おぎの れい)
Rei Ogino
米国NY、LAで幼少時代を過ごす。 2015年、伊藤忠商事入社。金属資源部門にて経営企画や事業開発に携わり、赴任先のシンガポールで石炭の三国トレーダーとして、各国の市場を新規開拓。2020年に帰国し、スタートアップ向け人材紹介のfor Startupsに従事。入社半年で最速昇格基準達成、MVT 受賞などの実績を上げ、各有力スタートアップのCEOやVCからの信頼を獲得。 2020年12月にゼンフォース株式会社を創業し、代表取締役CEOに就任。