営業においてメンバーの育成や成果を向上させていくにあたり、部下への的確なフィードバックは欠かせません。一方で「どのようなフィードバックが効果的で、成果につながっていくのか?」といったお悩みを抱えたことはありませんか?
そこでゼンフォース株式会社は、営業フィードバックをテーマにしたウェビナーを、ユームテクノロジージャパン株式会社とともに開催しました。本記事では2023年9月12日に開催したAIを活用し営業フィードバックをDX化!売れる営業組織のつくりかたとは?の内容の一部をご紹介します。
スピーカー情報
![ベルフェイス 清水貴裕](https://lh7-us.googleusercontent.com/NklU5GrY8pvV36rX5Mu9MqbMRDooqapM874kT5diKn9sOYhnFm1Gs6BkhhfjNKvUPtTZuMPDIKqFJo-Pbg59g7ag4LKGiv5HPxBXFBTNtxrKcxNS09vJDGntCT5tLXDKMqpnY_4c1lZRJvxSfo1n_3Y)
![本橋孝洋 UMU](https://lh7-us.googleusercontent.com/frTbn3zZ-2mqCr8c9sBUhgKyfqerxrK423-hHnXVWZVIvITGj29vn4MJBgDAG2KmikA1rY5YJiibYXUGU6-EAC0KmDz6bgfs-af0WWC-vXwdAaF6Uka_zr_lXUq4QxAbcS7j8ovMFhNUtIadHqHJhwE)
清水氏「フィードバックのほんしつ」
皆さんは、フィードバックをして炎上したことはありますでしょうか?私は、あります。「清水さんに○○って言われたけど、ほんとないよね〜」と言われたことが多々ありました。その人のためを思って言ったのに、なんでそんなこと言われなければならないんだろう、と毎回心が苦しくなります。フィードバックが上手くいかない原因は、「フィードバックの本質を知らないから」ではないでしょうか。私はフィードバックをどのようにやるのか、つまりHOWの部分は聞いたことがあるものの、それよりも深い部分は聞いたことがなかったように感じます。フィードバックをどのようにやるのか、基本の「き」となるノウハウはあまり見かけません。今回は、フィードバックの本質という観点から、フィードバックを行う前に知っておきたいことに焦点を当てて、お話してまいります。
なぜ?「相手が聞きたいことを伝える」
フィードバックとは、誰のために行うのでしょうか?それは、フィードバックされる人のためですよね。ほとんどのフィードバックは「自分だったら」「自分の経験から考えると」など、自分に置き換えてフィードバックを行うパターンになっています。これは決して間違いではありませんが、考え方がズレている可能性があります。
本質的なフィードバックを行うためには、自分との差分ではなく、対象者のあるべき姿からの差分を伝えることが重要です。自分との差分で伝えてしまうと、「それは○○さんだからできる」「私はそこまで頑張りたくない、求めていない」などのズレが起こってしまう可能性があります。
![FB フィードバック やり方](https://lh7-us.googleusercontent.com/Vl0EN-N3rmp1cxHNO3eEAW_cgAQIOh4swkesFSfdnED20XcKoIMJZwk31yDq8heOZ4geikvWbVwnvVPa-9vAIMIgctTrMTM3uWjukc55IMDwfnp6JDGRvSBVhBh5lXsJburvHH4ppGfk0SgA_-ybo_g)
上記画像の上の図が、「自分との差分」で伝えているパターンです。これは悪くはないのですが、相手が本当に聞きたいことは、フィードバックの対象者の中にしかないことがあります。自分の中で、相手との差分を考えてフィードバックをすると、一方的なアドバイスになってしまうことがあります。一方、下の図が「相手のあるべき姿」からフィードバックをするパターンです。相手の次のステップとして目指す状態の認識をすり合わせ、イメージできるようなサポートをしてあげることが重要です。「何をすれば良いか」のHOWを伝えるより、「どのような状態になれば良いのか」「どうありたいのか」をすり合わせることが重要です。ゴールのイメージがなければ、行き先がわからない旅に「ただ電車に乗れ」と言っているようなものです。「○○に行きたいのなら、こうしよう」と目的地を決めてからアドバイスをしなければなりません。「僕は遠くまで行くのに電車を使ったから、電車に乗りなよ」のような、どこに向かうのかわからないフィードバックは効果的ではありません。
また、目的地は人によって異なります。その人にあった場所に向かってアドバイスをすることが重要です。例えば、「最短でマネージャーに昇格したい」「将来起業したい」というマインドの人と、子供が生まれたばかりで、家庭の時間を大切にしたいと考えている人がいるとしましょう。これらの人は、同じフィードバックを求めているでしょうか?違いますよね。相手によって、フィードバックの内容を変えて、その人の目的地に合わせてアドバイスをしなければなりません。
![FB フィードバック やり方](https://lh7-us.googleusercontent.com/XxMdd4y1xv1bzeTpB5lsYlBCPj-snPujffIPBNRbUh6wORJFLuP-wuir6TpqgPi68gO4nQEOpKQ6NJQEljSl8YKV6RRI6cj4q938iub_3X14aev9guiwglOTwipJfXUNZ2UpLDlHSHjf1jGK4UIbppg)
なぜ?「信頼が希薄だと何も伝わらない」
皆さんは、どういう人にフィードバックされたいと思うでしょうか?当たり前ですが、尊敬・信頼できる人からされたいと思うことでしょう。この信頼・尊敬できる関係は、フィードバックの時にできるのでなく、日々のやりとりの中で形成されます。
![FB 信頼関係 フィードバック](https://lh7-us.googleusercontent.com/tiDQTCvHhpBlJS6EgmwNS8iwCXVYQsBzoC3R1DLdBuEA9biUIYmFE1C5mdd9OeLJKZJ3aBJs9nArhU7VpOnhixgrtpmhfC2WrkGoxYmm3BlVZnw7_k42cVWPeCdy-jXxe4xWPY7iLFoWPbywhUuHx6M)
上司とは、誰かから背中を見られる存在です。皆さんも部下時代に、上司のスケジュールや行動を気にしたことがあるのではないでしょうか。部下の立場からして、信頼できる上司のフィードバックは素直に受け入れられますが、信頼できない上司からの言葉は受け入れられないかもしれません。日々のあり方が、フィードバックにも影響します。フィードバックの本質は、日々のあり方に内包されているのです。誰かの憧れになったり、誰かの模範になっていくからこそ、誰かに指示をしたり、依頼する立場になることができます。例えば、フィードバックをオンラインで行うときもあるでしょう。その際にこの画像のような見た目でフィードバックをしたら、相手は受け入れてくれるでしょうか?
![FB フィードバック 伝え方](https://lh7-us.googleusercontent.com/hMl-uqfhz4Aj9NpBMdoAfJP48y1gfXTKxGKX1jr2so4hli_8cfRy7-LhqBG-e65oKyqmlspo4IB-rHZtRx0NrP-_hbLv1YgsqeqmovD06qdGrW-PtIzxQfhtaktI-yP-aYYiPvLUPDUcRdi1kp-2vsA)
また、いつも不機嫌で、ブーブーいう人のフィードバックを聞きたいでしょうか?「あの人からフィードバックされたい」と思われる存在にならなければなりません。
![FB フィードバック 伝え方](https://lh7-us.googleusercontent.com/EprGRQLjj_4lIPkth0nObzJPS_lbWld1XN8vE01DIbRYHrRxLjZh77bFcTWTnm9EMNgpJi5P3A9OxQwf0W3-agtSxMIxzDxPuZmxKdNsjq3xjutomqmhxWJd8hyjnNNppWQKbPXUmOjaJ9rx_j8-7VI)
営業のフィードバックあるある
今回は営業組織がテーマとなっていますが、営業のフィードバックは「詰め会」になってしまってはいませんか?私が行っていた営業フィードバックは、ほとんどが詰め会になってしまっていました。営業の大半の人が、詰め会を経験されているかと思います。詰め会は、数字というわかりやすい指標に対して「達成していないよね」とフィードバックをします。詰め会によって成果が上がる営業組織もあるため、絶対にダメだとは言いませんが、あまり気持ちいいものではありませんよね。数字に対する認識を合わせることは重要ですが、達成していないことくらい誰でもわかるため、数字に対するフィードバックはあまり意味がありません。大切なのは、本人に対するフィードバックです。営業ができる人、数字を達成してきた人ほど、詰め会をやりがちなので、注意が必要です。繰り返しになりますが、本人がどうありたいかを明らかにして、その目的地に向かってどう行動を起こすべきかをフィードバックしましょう。
![FB フィードバック 本来](https://lh7-us.googleusercontent.com/9VfMroNDfjEidEIFI5qwpIq-3jKPY68EJh7Nuv4aIKR9ulJzFNWgiDjJm6xlDToRAVn4JvGCAzpOHZXTaJWlOJwi2lYOwW_C8KbyikWs263ib6vAyIQaNjaORKqPGX61RXBZnOCaNIdF_v9xwbc_8FY)
マネージャーは、部下がいてはじめてマネージャになります。部下がいなければプレーヤーです。部下に対するフィードバックは、部下たちが活躍できる素地、状況、仕組みをつくるためのものです。しかしながら、「俺はすごかった」と、自分との差分をただ教えるだけのフィードバックが横行してしまっています。こうしたフィードバックを行っている方は、スタンスを変えていただく必要があります。改めて、相手のためにフィードバックを行いましょう。
本橋氏「AIを活用しフィードバックをDX化!売れる営業組織の作り方」
営業組織においてAI・テクノロジーを使うメリット
営業組織においてAIやテクノロジーを活用するメリットは、一言でいうと、「効率を上げ、効果を上げる」ことです。一昔前の営業パーソンは、朝から訪問商談を行って、帰社して日報や上司への報告を行って、その後上司とロープレを行うような一日を過ごしていたのではないでしょうか。こんな一日は、いま考えるととても非効率に感じますよね。皆さんは、既にオンライン会議システムを活用して、商談の効率化を図っているかもしれません。あるいは、ITツールを活用して、営業活動の報告を効率化しているかもしれません。私たちのサービスは、ロープレといった教育の部分を効率化することができます。私は上司とのロープレをするために、並んで待つようなこともありました。これを自身で録画をして、AIに採点とフィードバックをしてもらう、といった効率化を果たすことができます。
![ロープレ 営業](https://lh7-us.googleusercontent.com/ohVwvyf4hJc_Wau1QD3_Wkdq1Nt8I7RzgU0Ww571zJEjIwy3W9Pae2dtbTlNK2Bluf3Ex2l5_gej5CYBRwWNGPSro0FBgk-EsEHz11aavo0Let3nRYFscl1EQhlQ69pm7tnD_PUZk6KPqNWvzwZYy_o)
AI活用含む能力開発へのアプローチ
私たちは、成果に結びつける学びとして、「パフォーマンスラーニング」を提唱しています。「教えたからできるでしょ?!」や「教えたのになぜできないの?!」という上司の悩みがあるかもしれませんが、これらは教え手である上司の言い訳です。情報を伝えただけでは、学びになりません。教え手は、学んだ後の行動変容まで、責任を持たなければなりません。
![学習 業務適応](https://lh7-us.googleusercontent.com/0AmHhUTfq0Msaw47IPtdv3bNPtdXuII7D55i304dvceJYGr5nny5gizvCeQU6szHEEKl2j3-zlhFzj-vLhMEu84VZToimVlf5gniW8MracUb0wM49cK679Efun8WAhWW55YSO9OOs_USF60nqGfd8_s)
「パフォーマンスラーニング」は、学びから、実践に落とし込むところまで含めた考え方となっています。例えば、営業パーソンがしゃべるYouTubeの動画をみて「これいいな」とか、e-learningをみて「マネしてみよう」と思ったことはないでしょうか。ほとんどの方はこれで終わってしまいます。そこから、自分自身の言葉で表現できるまで理解し、2〜3カ月後も覚えている状態まで記憶に定着させ、実際の業務シーンで活用できるようにしなければなりません。これらの「パフォーマンスラーニング」を、すべて上司が責任をもって面倒を見ると、とても大変です。手間がかかり、ほかの業務に集中できなくなってしまうでしょう。これを、AIで代替することで、教育の部分を効率化することができるのです。
![フィードバック FB やり方](https://lh7-us.googleusercontent.com/uwB4BC3PXPXnKXRbOIqSObdHIjN0LV-bbaXXNgwNjL77ZKbvyiNMfjjuaOy9vtSCx8F6L1vNHjY8-nXFT2fPFdbeiiI3PgFTt_zO8GxYjhi7Pc5xLCBdv4dqr45P4c4y4d42AJy-_GQ3cbW3tAGcnAY)
私たちのサービスでは、一旦動画を見たら練習をして、それを仲間同士でフィードバックして、また練習して......と繰り返して、現場で使える能力を身につけます。
AI活用でさらに生産性を高める
AIやITを活用したトレーニングでは、効率的、効果的に練習やフィードバックを繰り返し、学習後に行動や実践に移すようにデザインされています。人間は一日経つと、学んだことの74%を忘れてしまうと言われています。それを忘れさせないために、動画を見た後にすぐにテスト問題を用意することで、記憶の定着を図ることができます。また、トークスクリプトを投稿して横展開したり、ロープレの録画を公開してお互いにフィードバックを行ったりするなど、知識の共有も可能です。さらに、場面別に応用できるよう、AIチャットボットを活用してロープレを行うことができます。ロープレの設定をAIチャットに投げると返答してくれるので、そのままAI相手にロープレを行い、評価を受けます。こうして場面別に応用できるところまで教育することができるのです。
![行動変容 プロセス フィードバック](https://lh7-us.googleusercontent.com/XNmjvd672Gi0Ft73ZclA_Rb6kyJGP6-VBqUmgec1t1Z8BBL84aD3Kt54r3CV7etG5i1-kC3VokkTcAVLMwEWEPYlanH0Kbdw1rJlJytfgcqHrpCnlDerD4oefwhOOGrg1nuDjMKLDvSx7KNcK2-RXL0)
効果と効率を上げるために営業組織をどう育てていくか、という観点では、AIやITの活用はとても重要です。ぜひ、営業組織の強化のために、こうしたサービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。